ハンギングセルカルチャーインサート

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Merck:/Freestyle/BI-Bioscience/Cell-Culture/cell-culture-images/millicell_hanging_inserts2.jpgミリセル( Millicell®)ハンギングセルカルチャーインサートは、さまざまな細胞の増殖と分化用の滅菌済みの多目的デバイスです。特殊設計のフランジが、プレート内のウェルの中心から外れた位置にインサートをとどめることでウェルの片側に広いスペースができ、ピペット操作が容易になります。ミリセルハンギングインサートは、単層細胞のアピカル/バソラテラル両側を対象とする研究を実現し、共培養と透過性試験において優れたツールになります。メルクのインサートは、便利で使いやすいようにプレートに装着済みです。

ミリセル ハンギングセルカルチャー キーハイライト

  • 共培養試験及び透過性試験に適しています。
  • ユニークなデザインで、他のハンギングインサートよりもコンタミネーションリスクを抑えながら、より簡単にバソラテラル側へのアクセスが可能です。
  • 5種類の孔径および3種類のインサート直径を用意しています(24ウェル、12ウェル、6ウェルプレート用) 。孔径1μmは、光学的に透明で倒立型顕微鏡での観察に適しています。これらのインサートを使用して走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)用のサンプルも簡単に調製可能であり、また細胞染色や蛍光染色にも使用できます。
ご注文情報
推奨使用液量
メンブレンのプロパティ

特性
HA
CM
PCF
PET
顕微鏡下で透明 No Yes No 1µmのみ
組織培養処理済 No No Yes Yes
メンブレンの厚さ 120µm 50µm 10µm 10µm
マトリックス/ECMコーティング可能 Yes Yes Yes Yes

利用可能なメンブレンタイプ:

バイオポア(Biopore)メンブレン (親水性 PTFE)
タンパク質低吸着で、生細胞の観察が可能、免疫蛍光染色のアプリケーションに適しています。他のメンブレンタイプと比較して、このメンブレンを蛍光染色に使用した場合バックグラウンドはほとんど、あるいは全く存在しません。また、生細胞を適切に観察できる透明性を保持しています。バイオポアメンブレンは、タンパク質低吸着で付着性細胞には細胞外マトリックス(ECM)コーティングが必要です。ECMはこのハンドブックのタンパク質のセクションにあります。

MF-ミリポア(MF-Millipore)メンブレン(セルロース混合エステル)
優れた構造的極性および機能的極性形成と、細胞外マトリックスなしでの付着性細胞増殖に適しています:界面活性剤不含のセルロース混合エステルメンブレンは、細胞表面レセプターや in vitroの毒性試験、微生物の付着や偏光吸収アッセイに使用することができます。プラスチックと比較すると、細胞は2~3倍の密度があり、丸みを帯びた核を持つ立方体の形になります。

アイソポア(Isopore)メンブレン(ポリカーボネート)
細胞外マトリックスを使用しない付着性細胞の培養に適しています:このトラックエッチド親水性ポリカーボネートメンブレンは、細胞外マトリックス(ECM)を使用せずに付着性細胞の増殖が可能な細胞培養処理済です。輸送/透過性の観察用途に特に推奨いたします。インサートは5種類の孔径サイズでご用意しております。

PETメンブレン(ポリエチレンテレフタレート)
細胞外マトリックスを使用しない付着性細胞の培養に適しています:このトラックエッチングされた薄膜メンブレンは細胞の可視化と単層細胞のモニタリングを可能にするため半透明、もしくは顕微鏡下で透明です。細胞付着と増殖を促すよう細胞培養処理済になっています。


メンブレン選択ガイド
in vitro 毒性

主要なプロトコール
共培養プロトコール
共培養の流れは、培養容器内で同時に2つ以上の細胞種を培養することです。2つの間接共培養法はこちらを参照してください。
  • ミリセルセルカルチャーインサートメンブレンの両側における基本的な間接共培養法
    注:細胞株や共培養の特性によって、メンブレンのどちら側に最初に播種するかを決定します。メンブレンの裏面に播種した細胞の無菌培養を維持するため、ミリセルシングルウェルインサートには滅菌ペトリ皿を、ミリセル 24ウェルならびに 96ウェルセルカルチャーインサートプレートには滅菌フィーダートレイを使用します。

    1.   最適化された播種密度で、アピカルウェルまたはメンブレンのバソラテラル面(メンブレンの下側)のどちらかへ一つ目の細胞タイプを播種します。適切なアピカル側添加液量については、推奨使用液量表(42ページ)を参照ください。バソラテラル側の添加液量として、ミリセル12mmシングルウェルインサートおよびミリセル24インサートプレートにはおよそ200μL、ミリセル96インサートプレートにはおよそ30µLを使用します。
    2.    細胞がメンブレンに接着するよう 37℃のCO2インキュベーターで1~4時間培養します。
    3.    ミリセルのデバイスを静かにひっくり返し、アピカルウェルまたはメンブレンのバソラテラル面(メンブレンの下側)のどちらかへ2種目の細胞を播種します。
    4.    2種目の細胞が付着するよう37℃のCO2インキュベーターで1~4時間培養します。
    5.    アピカルまたはバソラテラルチャンバーへ適量の培地を加え、インキュベーターへ戻します。


  • 胚性幹細胞と胚性線維芽細胞の間接共培養
    A. 1日目
    1.   0.1%ゼラチン入り DPBS 10mLをT-75フラスコに加え、 37℃で30分以上インキュベーションすることでコーティングします。
    2.   37°Cの温浴でPMEFバイアルを素早く溶解し、温めた培地10mLを容れた15mLチューブへ移します。チューブを静かに転倒撹拌し、 4℃で1000rpm未満の速度で約4~5分間遠心して細胞を沈殿させます。
    3.   上清を取り除いて細胞を再懸濁し、プレート/フラスコからゼラチンを取り除き、下記推奨細胞濃度のフィーダー細胞懸濁液を調製します。
    4.   播種の前にフラスコから余分なゼラチンを取り除きます。
    5.   MEFフィーダー細胞懸濁液をフラスコに加え播種します。約1.5 × 10⁵個/mLで巻き込むと、 MEF細胞は 24時間以内に95%コンフルエントに達するはずです。
    6.   37℃で一晩インキュベーションします。

    B. 2日目
    1.   0.1%ゼラチン入りDPBS 10mLをT-75フラスコに加え、 37℃で30分以上インキュベーションすることでコーティングします。
    2.   37°Cの温浴で PMEFバイアルを素早く溶解し、温めた培地が10mL入った15mLチューブへ移します。チューブを静かに転倒撹拌し、 4℃で1000rpm未満の速度で約4~5分間遠心して細胞を沈殿させます。
    3.   上清を取り除いて細胞を再懸濁し、プレート/フラスコからゼラチンを取り除き、下記推奨細胞濃度のフィーダー細胞懸濁液を調製します。
    4.   播種の前にフラスコから余分なゼラチンを取り除きます。
    5.   MEFフィーダー細胞懸濁液をフラスコに加え播種します。約1.5 × 10⁵個/mLで巻き込むと、 MEF細胞は 24時間以内に95%コンフルエントに達するはずです。
    6.   37℃で一晩インキュベーションします。

    C. 3日目
    1.   フレッシュなES細胞用培地でMEFフィーダー層上で培養しているES細胞の培地を交換します。

    D. 4~8日目
    1.   MEFフィーダー層上で培養しているES細胞の培地をフレッシュなES細胞培地で交換するか、必要があれば 1対2の割合で細胞を継代します。(ES細胞は溶解してからミリセル24またはミリセル96ウェルプレートに播種するまでに、2~3回継代することを推奨します。両方の細胞が同時に不活化MEFが播種された新しいT-75へ継代されます。)ミリセル96セルカルチャーインサート1.0 PETメンブレンのアピカル側に200個/ウェルのES細胞、シングルフィーダートレーにMEF細胞を播種し間接共培養した後、出現したES細胞のコロニーに対しアルカリホスファターゼ染色を実施しました。

    E. 9日目
    1.   新しいES細胞用培地でMEFフィーダー層上で培養しているES細胞の培地を交換します。
    2.   およそ5~10mLの25µg/mLのフィブロネクチンが入ったDPBSでミリセル24またはミリセル96シングルウェルフィーダートレイをコーティングし、室温で45分間インキュベーションします。
    3.   シングルウェルトレイから過剰なフィブロネクチンを取り除きます。
    4.   セクションAの1日目のプロトコールを参照してMEFを溶解します。
    5.   MEF細胞懸濁液をフィブロネクチンでコーティングされたシングルウェルウトレイに加えます。シングルウェルトレイあたりおよそ約1.67 × 106個のMEF細胞を播種すると、24時間以内に95%コンフルエントに達するはずです。
    6.   蓋をして、シングルウェルトレイを37℃で一晩インキュベーションします。

    F. 10日目
    1.    T-75 フラスコから ES細胞と MEFフィーダー細胞を回収します:
    2.   温めたDPBS10mLでフラスコを2回洗浄します(1回の洗浄ごとに1~2分インキュベーション)。
    3.   DPBSを取り除き、3mL TrypLEを加え、室温で2~3分間インキュベーションします。
    4.   倒立型顕微鏡で細胞の剥離をモニタリングし、 TrypLEを不活性化するため ES細胞培地を加えます。
    5.   フラスコから細胞をすべて取り除くためによくまぜ、フラスコ壁面を洗浄します。
    6.   MEFフィーダー細胞から ES細胞を分離します:
    7.   ES細胞/MEF細胞懸濁液を新しいT-75フラスコへ移し、37°Cで45分間インキュベーションします。
    8.   非付着性細胞( ES細胞)を別の新しいT-75フラスコへ移し、37°Cで45分間インキュベーションします。
    9.   再度、非付着性細胞( ES細胞)を回収し、得られた ES細胞懸濁液をセルカルチャーフィルタープレートウェルに加えます。
    10.   ES細胞をセルカルチャープレートのアピカル側(ウェル内)に入れます。ミリセル96プレートには、 1ウェルごとにおよそ200~500個の細胞を100µLのES細胞培地で播種し、ミリセル24プレートには、1ウェルごとにおよそ1000~1500個の細胞を400µLのES細胞培地で播種します。

    11.   MEFを播種したシングルウェルトレイから培地を取り除き、およそ28~32mLのES細胞培地と交換します。
    12.   MEFを入れたシングルウェルトレイとES細胞を入れたセルカルチャーフィルタープレートを組み立てます。
    13.   37°Cで一晩インキュベーションします。

    G. 12日目と 14日目
    1.   間接共培養している ES細胞と MEFの培地をES細胞培地で交換します。

    H. 16日目
    1.   ES細胞が未分化であることを確認するためアルカリホスファターゼ検出キットで解析します。

    注:このプロトコールは、未分化の胚性幹細胞を線維芽細胞のフィーダー細胞との間接共培養で培養できるようにデザインされています。ミリセル24ならびにミリセル96プレートでの使用を対象としていますが、このプロトコールはミリセルシングルウェルインサートにも使用することができます。

    材料と試薬
    • ミリセル24セルカルチャーインサートプレート―カタログ番号PSHT 010 R5、 PSRP 010 R5
    • ミリセル 96セルカルチャーインサートプレート―カタログ番号 MACA C02 B5
    • 初代マウス胚性線維芽細胞(DMEF)―カタログ番号 PMEF-CFL
    • 129/S6 マウス胚性幹細胞(ES細胞)―カタログ番号 SCR012
    ES細胞培地:
    • ノックアウトDMEM―カタログ番号 SLM-220-B
    • 20% ES細胞検証済み血清―カタログ番号 ES-009-B
    • 1% Glutamax-1
    • 1% PenStrep — カタログ番号 TMS-ABZ-C
    • 1% 非必須アミノ酸 — カタログ番号 TMS-001-C
    • 0.1% ESGRO (LIF) —カタログ番号 ESG1106
    • 0.1% 2-メルカプトエタノール— カタログ番号 ES-007-E
    MEF培地:
    • DMEM―カタログ番号 SLM-022-B
    • 10% ES検査済み血清―カタログ番号 ES-009-B
    • 1% Glutamax-1
    • 1% PenStrep — カタログ番号 TMS-ABZ-C
    • 1% 非必須アミノ酸 — カタログ番号 TMS-001-C
    • ゼラチン 2% 溶液 — カタログ番号 SF008
    • マイトマイシン Cパウダー― Sigma カタログ番号 M4287
    • DPBS — カタログ番号 BSS-1005-B
    • TrypLE Select (1X)、液体― Invitrogenカタログ番号 12563
    組織培養フラスコとチューブ
    • フィブロネクチン溶液、1mg/mL―カタログ番号 FC010
    その他:
    • アルカリホスファターゼ検出キット―カタログ番号 SCR004


ECM コーティングプロトコール
細胞外マトリックス(ECM)によるメンブレンとプラスチック表面のコーティングで、細胞付着と単層形成が促進します。私たちは、ミリセルCMインサート用に4種類のECM向けのプロトコールを開発しました。共培養の実験において、プラスチックのフィーダートレイで細胞を増殖するときにも有用です。
  • コラーゲンタイプ1コーティング
    材料
    • ミリセルインサートとプレート
    • 70% エタノール(Millex-GPフィルターユニットでフィルター滅菌済みのもの。カタログ番号 SLGP 033 RS;またはステリカップ- GPフィルターカップカタログ番号 SCG-P U11 RE)
    • ラットテールコラーゲンタイプ1、およそ3mg/mL(カタログ番号 08-115)
    • 滅菌済みピペットとチップ

    注:0.01 N HClまたは酢酸で希釈した適切な濃度の代替コラーゲン原液(タイプ I)を使用することができます。

    方法
    1.    70%エタノールでコラーゲンを 1:4で希釈(コラーゲン 1に対し 70%エタノールを 3)し、コラーゲンが可溶化するまでボルテックスします。
    2.    必要数のミリセルインサートまたはプレートを準備します。
    3.    適量のコラーゲン/エタノール混合液を各ウェルに追加します。
    4.    インサート内部がコラーゲン/エタノール混合液で均等にコーティングされるようにセルカルチャープレートを静かに振盪させます。
    5.    クリーンベンチでインサートを風乾させます。空気が流れるようにセルカルチャープレートのカバーを少し開けたままにしておき、偏りを防ぎます。 注: 乾燥には通常3時間から終夜かかります。終夜乾燥させることを推奨します。
    6.    適切な細胞密度(MDCK細胞であればおよそ 5×10⁴ ~5×10⁵個/cm²)でミリセルインサートに播種します。

    ミリセルデバイスのコーティングに必要な液量
    コーティング
    (24-ウェル)
    (12-ウェル)
    (6-ウェル)
    (ミリセル24)
    (ミリセル96)
    コラーゲン(コラーゲン/エタノール混合) 50 µL 150 µL 400 µL 100 µL 25 µL
    フィブロネクチン*(フィブロネクチン/DMEM混合) 100 µL 300 µL 700 µL 200 µL 50 µL
    ラミニン*(ラミニン/DMEM混合) 100 µL 300 µL 700 µL 200 µL 50 µL
    マトリゲル*(マトリゲル/H2O溶液) 100 µL 300 µL 700 µL 200 µL 50 µL
    *どのミリセルメンブレンにもお使い頂けます。
    *マトリゲルはBecton, Dickinson and Companyの登録商標です。

  • フィブロネクチンコーティング
    材料
    • ミリセルインサートとプレート
    • 滅菌済みピペットとチップ

    ヒトフィブロネクチン、1mg/mLに溶解済み。製造業者の指示に従って取り扱い、保管してください。

    方法
    1.    フィブロネクチンを無血清 DMEMで 1:10で希釈し(フィブロネクチン 1に対し DMEM 9)、フィブロネクチンが可溶化するまでボルテックスします。
    2.    必要数のミリセルインサートまたはプレートを準備します。
    3.    滅菌済みピペットシリンジを使用して、適量のフィブロネクチン/DMEM混合液を各ウェルに加えます。
    4.    フィブロネクチン/DMEM混合液でミリセルCMインサートが均等にコーティングされるまでセルカルチャープレートを静かに振盪させます。
    5.    クリーンベンチでインサートを終夜風乾します。空気が流れるようにセルカルチャープレートのカバーを少し開けたままにしておき、偏りを防ぎます。注:乾燥には、通常3時間から終夜かかりますが、終夜乾燥させることを推奨します。
    6.    適切な細胞密度(MDCK細胞であればおよそ 5×10⁴~5×10⁵個/cm2)でミリセルインサートに播種します。


  • ラミニンコーティング
    材料
    • ミリセルインサートとプレート
    • 滅菌済みピペットとチップ

    ラミニン、1 mg/mL (カタログ番号:08-125)。製造業者の指示に従って取り扱い、保管してください。

    方法
    1.   DMEMにてラミニンを1:10で希釈( DMEM9に対してラミニン 1)し、ラミニンが可溶化するまでボルテックスします。
    2.   必要数のミリセルインサートまたはプレートを準備します。
    3.   滅菌済みピペットを使用して、適量のラミニン/DMEM混合液を各ウェルに添加します。
    4.   ラミニン/DMEM混合液でミリセルインサートが均等にコーティングされるようセルカルチャープレートを静かに振とうします。
    5.   クリーンベンチでインサートを終夜風乾します。空気が流れるようにセルカルチャープレートのカバーを少し開けたままにしておき、偏りを防ぎます。注: 乾燥には通常3時間から終夜かかります。終夜乾燥させることを推奨します。
    6.   適切な細胞密度(MDCK細胞であればおよそ 5×10⁴ ~5×10⁵個/cm2)でミリセルインサートに播種します。


  • マトリゲルコーティング
    材料
    • ミリセルインサートとプレート
    • 滅菌済みピペットとチップ

    方法
    1.   製造業者の指示に従ってマトリゲルを希釈します。
    2.   必要数のミリセルインサートまたはプレートを準備します。
    3.   滅菌済みピペットを使用して、適量のマトリゲル混合液を各ウェルに追加します。
    4.   マトリゲル溶液でミリセルインサートが均等にコーティングされるまでセルカルチャープレートを静かに振盪させます。
    5.   クリーンベンチでインサートを終夜風乾します。空気が流れるようにセルカルチャープレートのカバーを少し開けたままにしておき、偏りを防ぎます。注:乾燥には通常3時間から終夜かかります。終夜乾燥させることを推奨します。
    6.   適切な細胞密度( MDCK細胞であれば、およそ 5×10⁴ ~5×10⁵細胞/cm2)でミリセルCMインサートに播種します。


固定と染色プロトコール
ミリセルのセルカルチャーインサートである24ウェルおよび96ウェルプレートは、ひとつのデバイスであらゆる固定や染色、免疫染色をサポート可能に設計されています。細胞は、立体顕微鏡、位相差顕微鏡、蛍光染色で観察することが可能です。染色法の多くは、始めに固定のステップがあります。固定は、その後の染色作業の間、細胞内の形態を安定させ、抗原の劣化を防ぐために必要です。固定と染色プロトコールの例を示します。
  • メンブレンの化学適合性
    一般的な固定薬との化学適合性に関しては、次の表を参考にしてください。
    PS
    HA
    CM
    PCF
    PET
    酢酸
    NR
    NR
    NR
    NR
    R
    R
    R
    NR
    NR アセトン
    R
    アセトニトリル NR NR R NR ND
    水酸化アンモニウム TST
    R
    TST
    NR
    NR
    NR
    R
    R
    R
    TST
    NR
    R
    ND DMSO
    ND アルコール
    R
    ホルムアルデヒド NR NR R R R
    グルタルアルデヒド RS
    R
    ND
    R
    R
    R
    ND
    R
    ND グリセロール
    R
    塩酸、IN R
    RS
    R
    NR
    R
    R
    R
    R
    R メタノール
    ND ナトリウム
    SDS ND R ND TST ND ナトリウム
    水酸化ナトリウム、3N R NR R NR TST
    TCA(水溶液) ND NR R TST NR
    Triton x-100 R R R R R

    PS = PS(ポリスチレン)メンブレン
    HA = HA (セルロース混合エステル) メンブレン
    CM = CM (PTFE) メンブレン
    PCF = PCF (ポリカーボネート) メンブレン
    PET = PET (polyterepthalate) メンブレン

    一般的な注意点
    • 適合表:
    • R=推奨
    • NR=推奨しない
    • NR=推奨しない
    • TST=試験の実施を推奨
    • ND=データなし
    • 化学物質がメンブレンとは適合するがポリスチレンハウジングとは適合しない場合、化学物質を添加する前にハウジングからメンブレンを外してください。
    • 他に指定が無い場合、各化学物質に記載された濃度が最高濃度になります。プラスチックハウジングやメンブレンが最高濃度に適合しない場合、それよりも低い濃度に適合することがあります。



  • トルイジンブルー染色
    材料
    • ミリセルインサートまたはインサートプレート
    • Milli-Q 水
    • Millex-GPフィルターユニット — カタログ番号 SLGP 033 RS
    • トルイジンブルー(シグマ)
    • 3%グルタルアルデヒドリン酸バッファー(PBS)
    • 0.5% Triton X-100(シグマ)

    方法
    1.   Milli-Q水にトルイジンブルーを 0.3%(重量パーセント)になるよう加え、かき混ぜてから Millex-GPフィルターユニットにてろ過します。
    2.   プレートからミリセルインサートを取り除き、培地を除去するために PBSで静かに洗浄します。
    3%グルタルアルデヒドPBSで細胞を15分間固定します。
    4.   Milli-Q水で静かにすすぎます。2回繰り返します。
    5.   0.5%Triton X-100で細胞を 5分間透過処理します。
    6.   Milli-Q水で静かにすすぎます。2回繰り返します。
    7.   メンブレンの細胞側であるアピカル側に染色液を加え 30~60秒間おきます。
    8.   カバーガラスを乗せ観察します。



  • Hema-3 Quick 染色キット
    Hema-3染色キットは、ミリセルセルカルチャー製品すべてにご利用頂ける(15分未満の)迅速な核染色方法です。このキットはFisher(カタログ番号 22–122911)からお求めいただけます。


  • ライト染色
    材料
    • ミリセル CMセルカルチャープレートインサート― カタログ番号 PICM 012 50、 PICM 030 50PICM 012 50、 PICM 030 50
    • 3%グルタルアルデヒドリン酸バッファー(PBS)
    • Milli-Q 水
    • 100% メタノール
    • ライト染色

    方法
    1.   プレートからミリセルCMインサートを取り除き、増殖培地を取り除くためにPBSで静かに洗浄します。
    2.   3%グルタルアルデヒドPBSで細胞を15分間固定します。
    3.   Milli-Q水で静かにすすぎます。2回繰り返します。
    4.   メタノールで一度すすぎ、新しいメタノールを加え 5分間インキュベーションします。
    5.   メタノールを吸引します。メンブレンが完全に覆われるようにライト染色液を加えます。
    6.   30秒間インキュベーションします。
    7.   Milli-Q水で静かにすすぎます。3回繰り返します。
    8.   カバーガラスを乗せ観察します。



  • ミリセルHA用ヘマトキシリン染色

    注:標準的なヘマトキシリンーエオシン染色法が薄切切片に使用可能です。

    材料
    • ミリセルHAセルカルチャーインサート― カタログ番号 PIHA 012 50、 PIHA 030 50
    • Millex-GPフィルターユニット — カタログ番号 SLGP 033 RS
    • 3%グルタルアルデヒド PBS溶液、4℃保存
    • リン酸バッファー(PBS)
    • 0.5% Triton X-100(シグマ) Milli-Q水溶液
    • ヘマトキシリン溶液、 HHS-1、 7.5 g/L
    • 0.5% Triton X-100(シグマ) Milli-Q水溶液
    • 水酸化アンモニウムを希釈します(100mLの水に濃水酸化アンモニウムを 8~10 滴)。
    • 70% エタノール 0.5%塩酸溶液
    • Milli-Q 水
    • コルクボーラー

    方法
    1.   マイレックス GPユニットでヘマトキシリン溶液をろ過し、細胞層を覆います。
    2.   室温で15分間インキュベーションします。
    3.   染色を取り除くためにMilli-Q水でミリセルHAインサートをすすぎます。2回繰り返します。
    4.   70%エタノールに0.5%塩酸溶液を加え、2~3分間かけて脱染します。
    5.   Milli-Q水で静かにすすぎます。2回繰り返します。
    6.   メンブレンが完全に覆われるようにミリセルHAインサートに水酸化アンモニウム希釈液を加えます。3分間、あるいはメンブレン全体が均一な青色になるまでインキュベーションします。
    7.   Milli-Q水で静かにすすぎます。2回繰り返します。
    8.   コルクボーラーを使いメンブレンを取り出します。スライドにメンブレンを乗せ市販の封入剤で封入します。細胞層が顕微鏡の対物レンズのほうを向くようにします。



  • ミリセルCM用ヘマトキシリン染色
    材料
    • ミリセルCMセルカルチャープレートインサート― カタログ番号 PICM 012 50、 PICM 030 50PICM 012 50、 PICM 030 50
    • Millex-GPフィルターユニット — カタログ番号 SLGP 033 RS
    • Milli-Q 水
    • 滅菌済みリン酸バッファー(PBS)
    • 3%グルタルアルデヒド PBS溶液、4℃保存
    • メタノール
    • 0.5% Triton X-100となるように Milli-Q水に溶解
    • Millex-GPユニット(カタログ番号 SLGP 033 RS)でフィルター滅菌したヘマトキシリン溶液(Gill No.1)
    • 70% エタノール 0.5%塩酸溶液
    • 水酸化アンモニウムを希釈します(100mLの水に濃水酸化アンモニウムを 8~10 滴)。
    • 封入剤

    方法
    1.   プレートからミリセルCMインサートを取り除き、増殖培地を取り除くためにPBSで静かに洗浄します。
    2.   3%グルタルアルデヒド/PBS(pH 7.3、4°C)溶液をミリセルCMインサートの内外(細胞培養プレートのウェル)へ加えます。15分間静置します。
    3.   グルタルアルデヒドを静かに取り除きます。ミリセルCMユニットの内外(細胞培養プレートのウェル)へメタノールを添加します。10分間静置します。
    4.   メタノールを静かに取り除きます。ミリセルCMインサートの内外(細胞培養プレートのウェル)へ 0.5% Triton X-100 を加えます。5分間静置します。
    5.   Triton X-100を静かに取り除きます。ヘマトキシリン溶液(Gill No.1、シグマケミカル、 Millexユニットでろ過)を添加します。15分間静置します。
    6.   ミリセルCMインサートを Milli-Q水で静かに洗浄します。2回繰り返します。
    7.   過剰な染色液を取り除くため、 0.5%塩酸 70%エタノール溶液を添加し、45秒間静置します。
    8.   Milli-Q水で静かにすすぎます。2回繰り返します。
    9.   希釈水酸化アンモニウム液を添加し、約45秒間静置します。
    10.  Milli-Q水で静かにすすぎます。2回繰り返します。
    11.  湿潤状態で保管するか、検鏡のため封入します。



  • ミリセル製品の一般的な免疫蛍光染色プロトコール
    免疫細胞化学的染色は、細胞の局在、ラベル、検証を蛍光顕微鏡下で、蛍光標識抗体を用いて行われる技術です。

    材料と試薬
    • ミリセルセルカルチャーインサートならびにインサートプレート
    • 滅菌済みリン酸バッファー(PBS)
    • 100%メタノール
    • グリセリン
    • FITC標識抗体
    • 1% BSA/PBS溶液
    • スライドガラス

    方法
    1.   細胞培養培地を吸引除去し、ミリセルインサートまたはプレートの両側をPBSでそっと洗浄します。5分間インキュベーションし、2~3回以上繰り返します。適量については、推奨使用液量表をご覧ください。
    2.   固定液(例:メタノール)を加え、5~10分固定します。固定液でメンブレンの裏面側からの処理をする必要はありません。プロトコールの指示に従いインキュベーションを行います。
    3.   処理後、固定液を吸引除去し、洗浄液でフィルターウェルを満たします。フィルターメンブレンの両側から固定液を完全に取り除くために、この作業を2~3回繰り返します。細胞を乾燥させないようにします。
    4.   供給メーカーの指示に沿って一次抗体を希釈します。最高の結果を得るためには、最適な希釈率は、お客様ご自身で決められることをお勧めします。(細胞質抗原や核抗原など)透明化が必要な場合0.1%の濃度で溶液にサポニンを加えることができます。
    5.   各ウェルに抗体溶液を加え、溶液がフィルター表面全体を濡らすよう軽く振ったり揺らしたりして、推奨温度(通常は室温または4°C)でインキュベーションします。抗体が蛍光標識(直接標識)される場合、プレートをホイルで覆い光を遮断します。
    6.   抗体溶液を吸引除去し、非結合抗体をすべて取り除くためにステップ1に記載のようにメンブレンの両側を洗浄します。
    7.   二次抗体で直接標識を実施する場合、二次抗体でステップ4~6を繰り返します。蛍光抗体を使用した観察については、視覚化と顕微鏡法を続けてお読みください。エンザイムアッセイ(HRP等)の発色には、供給メーカーの示す手順に従ってください。



  • 観察と顕微鏡観察法

    サンプルの顕微鏡検査は、3つのモードにて実施できます:
    1.   プレート下からの観察(透明なPETまたはCMメンブレン)
    PETまたはCMメンブレンを使用したミリセルデバイスは、倒立顕微鏡を使って下から細胞を観察できる設計となっています。生細胞の観察と、顕微鏡観察は培地を含むレシーバーまたはプラスチックプレートが利用できます。細胞を観察するため、顕微鏡対物(通常5~20倍)は適切な作業距離が必要です。(対物レンズの仕様については、対物レンズ情報のセクションに掲載のウェブサイトをご覧ください。)培地中で観察する必要がない固定細胞は、レシーバープレートを使用せず直接観察することができます。その場合、メンブレン上にある液体(培地、封入液)で対物レンズを汚染させないように注意が必要です。
    2.   プレート上側からの観察(ミリセル6ウェルインサート、ミリセル24セルカルチャーインサートプレート)
    細胞培養プラットフォームの中には、従来の顕微鏡で低倍率で直接上から細胞を見ることができるものもあります。細胞は、無菌性を維持する場合は蓋を通して観察し、固定済みの細胞や無菌性の維持が不要な場合は蓋を取り除いて観察します。対物レンズの作動距離は、下から測定するときよりも上からのときのほうが長い距離が必要です。免疫蛍光法の場合、光による退色を防ぐため退色防止剤が添加された封入液の使用を推奨します。
    3.   スライドガラス上でメンブレンを観察する(高倍率または作動距離が短い [2mm未満] 対物レンズの場合)
    このメンブレンは顕微鏡での観察のために各ウェルから取り除くことができます。これによって高倍率の観察や将来再度観察するためにスライドを保管することが可能です。

    Merck:/Freestyle/BI-Bioscience/Cell-Culture/cell-culture-images/visualizing-cells.bmp
    メンブレンの上側から観察する際は通常、蓋を使用しない場合13.59mm(A)以上、蓋を使用する場合18.03mm(B)以上の作動距離を持つ5~20倍の対物レンズを使用します。メンブレンの下側から観察する場合、作動距離が2mm (C)以上の5~20倍の対物レンズを使用します。

    スライドガラスにメンブレンを乗せる
    1.   メンブレンの端に小さな切込みを入れるため、鋭利なメスを使ってウェルからメンブレンを取り除きます。ウェルの直径のおよそ4分の1のウェル壁の内側に沿って慎重に切断します。ピンセットを使いメンブレンを押さえながらメンブレンを取り出すためにウェルの直径に沿って切断します。あるいは、メンブレンの取り除きにはコルクボーラーも使用できます。注:メンブレンが丸まらないように気をつけてください。
    2.   スライドガラスの上に細胞を表向きにしてメンブレンディスクを置きます。
    3.   メンブレンディスクに50 µLの封入液を添加し、ディスクの下に気泡を作らないように全体を湿らせます。
    4.   気泡を取り除くような角度で、メンブレンの位置までカバーガラスをゆっくりと下げます。

    対物レンズ情報
    顕微鏡の対物レンズの拡大率と作業距離の情報は、個別の光学装置販売店またはメーカーから入手できます。

    注: TEM手順に関する情報は割愛しています。

    材料と試薬
    • ミリセルセルカルチャーインサート
    • リン酸バッファー(PBS)
    • グルタルアルデヒド
    • 四酸化オスミウム
    • カコジル酸ナトリウム
    • しょ糖、試薬用
    • 塩化カルシウム
    • 硝酸鉛
    • クエン酸ナトリウム/水酸化ナトリウム
    • 酢酸ウラニル
    • エタノール
    • 平らな包理トレイ
    • 包理樹脂(EPON812など)
    • 精密ピンセット―カタログ番号 XX66 000 06
    • ダイヤモンドナイフ
    • コルクボーラー
    • デュラポア( Durapore)フィルターディスク―メルク

    サンプル画像

    Merck:/Freestyle/BI-Bioscience/Cell-Culture/cell-culture-images/murine.bmp
    Olympus IMT-2倒立顕微鏡を使用して1um PETミリセル 24デバイスで観察したマウス胚性幹細胞に由来する生きた胚様体

    Merck:/Freestyle/BI-Bioscience/Cell-Culture/cell-culture-images/neuron.bmp
    ミリセル24 1um PETフィルタープレート上での胚性幹細胞のニューロンへの分化。マウス胚性幹細胞は、浮遊培養系にて胚様体( EB)を形成させてから付着および分化のために 1 um PETミリセル24プレートへ移しました。写真は、培地中のEBの膜を介して位相差コントラストを示しています。接着した EBのレチノイン酸処理による神経分化がニューロフィラメント免疫蛍光法によって確認されました。

    A. プロセッシング/細胞調製
    注:ステップ1~5は、未処理のミリセルセルカルチャーインサートまたはプレートウェルで実施します。

    1.   固定液を含まないリン酸バッファーを使用して、室温ですばやく(2回各5分)細胞を洗浄します。
    2.   2%のグルタルアルデヒドが入った100 mMのカコジル酸ナトリウム溶液(pH7.5)を用いて、室温で15分~2時間かけて細胞を固定します。
    3.   室温で100 mMのカコジル酸ナトリウム溶液で細胞を洗浄します(2回各5分)。注:この時点で細胞は、4℃、7gショ糖/100 mLの上記バッファーで保管することができます。
    4.   1%の四酸化オスミウムが入った100 mMのカコジル酸ナトリウム溶液または適切なリン酸バッファーで細胞を固定します。
    5.   次の濃度のエタノールで細胞を脱水します:

    エタノール濃縮キット(%)
    時間(分)
    30 15
    50 15
    70 15
    95 15
    100 3 x 15

    注:ミリセル‐HAユニットの脱水は、セルロースメンブレンが脱水の過程で脆くなる傾向にあるため、包埋トレイとして使用する金属製の皿の上で行います。これらのステップ途中にメンブレンを移動させようとすると、細胞に物理的ダメージを与える可能性があります。

    6.   透徹には、 EDPONの代替品である EPON812や LX112がどちらのデバイスにも適しています( Spurrは使用しないでください)。一般的な透徹計画はこちらです:

    エタノール濃縮キット(%)トレイ(%プラスチック)
    時間(分)
    75/25 シェーカーで30分
    50/50 シェーカーで30分
    0/100 シェーカーで30分を3回
    0/100 一晩


    注: プロピレンオキシドのような他の薬剤をプラスチックと共に使用する必要はありません。プロピレンオキシドはセルロース性フィルターを溶かします。さらに、これらのステップで使用する検査サンプルの標準的な反転/回転は、(1)細胞層の損傷または(2)セルロース性フィルターを引き伸ばしてしまう可能性があるためお勧めしません。ゲルシェーカー装置にて軽く振れば、透徹がうまくいきます。

    注: 次のステップの前にメンブレンは周りのプラスチックリングから外しておきます。EPONはメンブレンとリングの結合を緩めることがあるので、操作をしなくてもこの現象が起きる場合があります。自然に脱離しない場合、鋭利なメスまたはコルクボーラーを使用してメンブレンを切断します。47mmフィルターサポートディスク上でメンブレンを切断することもできます。いかなる場合も、メンブレンは、重合の間リングに装着したままにしないでください。

    7.   新しいプラスチックに移し、68°Cで一晩重合します。

    B. 切断に関して
    1.   ニトロセルロース(HA)、ポリカーボネート(PC)、テレフタル酸ポリエチレン(PET)メンブレン:これらのメンブレンは、どの面でも簡単に切断できます。
    2.   このバイオポアメンブレンは、切断の最終的な厚みを元に、2つの方法のどちらかで処理します。