キナーゼ阻害剤とホスファターゼ阻害剤

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スポットライト:
アセチル化とメチル化:
遺伝子発現のエピジェネティック調節因子
クロマチンは構造的かつ機能的なダイナミックな足場として様々な細胞内プロセスに必須の役割を担い、遺伝子発現の調節因子やエピジェネティック因子に影響を受けます。DNAのメチル化とヒストンの翻訳後修飾は、主要なエピジェネティック修飾とみなされています。

DNA methylation and the post-translational modifications of histones are regarded as the major epigenetic factors.
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プロテインキナーゼは、特定のセリン、スレオニンあるいはチロシン残基をリン酸化する酵素です。プロテインキナーゼの刺激作用は、細胞増殖および分化において、シグナル伝達の最も一般的なメカニズムのひとつです。プロテインキナーゼを活性化する物質には、カルシウム/カルモジュリン、リン脂質、cAMPならびにcGMP、成長因子、サイトカイン、そして毒素があります。

プロテインホスファターゼは、プロテインキナーゼやその他のタンパク質の脱リン酸化を引き起こすことで、生理学的応答を調節します。プロテインホスファターゼは、筋収縮やタンパク質合成、コレステロール代謝やその他複数の生物学的過程に関連するタンパク質に作用します。これらは、オカダ酸、カリクリン、トートマイシン、ある特定のバナジウム化合物、そしてホスファターゼ阻害剤によって阻害することができます。

低分子阻害剤は、様々なプロテインキナーゼおよびホスファターゼが介在したシグナル伝達を評価するための強力なツールです。Calbiochemは、数多くの論文に引用されており、広範なプロテインキナーゼおよびホスファターゼなどを阻害する特異性の高い低分子化合物を提供します。



Akt/PI 3-K/mTOR Signaling Pathway inhibitors Panel
InhibitorSelect™ Akt/PI 3-K/mTOR Signaling Pathway inhibitors Panel(カタログ番号124031)に含まれる阻害剤。
AKT(プロテインキナーゼB)阻害剤

プロテインキナーゼB(PKB)としても知られるセリン/スレオニンキナーゼのAktは、細胞増殖やアポトーシス、血管新生、糖尿病に関係する複数のシグナル伝達経路において重要な酵素です。リン酸化調節部位の局在がわずかに異なるAkt(α、β1、β2、γ)の4種類のアイソフォームが報告されています。Aktの活性化には、成長因子の受容体チロシンキナーゼへの結合による活性化と、膜結合型PI(4,5)P2 (PIP2) をリン酸化してPI(3,4,5)P3 (PIP3) を生成するPI 3-Kの活性化が関わっています。

MAPK Signaling Pathway inhibitors Panel
InhibitorSelect™ MAPK Signaling Pathway inhibitors Panel(カタログ番号 444189)に含まれる阻害剤。クリックして拡大。
MAPキナーゼ阻害剤

マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼは、さまざまな細胞外刺激に応答して活性化される進化的に保存されたセリン/スレオニンキナーゼの一群で、細胞表面から核内までのシグナル伝達に介在します。これらのキナーゼは、炎症やアポトーシス細胞死、発がん性形質転換、腫瘍細胞の浸潤、転移を含む複数の生理学的・病理学的な細胞現象を制御します。MAPキナーゼは、複数のシグナル伝達経路との組み合わせにより、外部から受けた各シグナルに固有のパターンで対応し、転写因子のリン酸化状態を特異的に変換できます。


プロテインキナーゼC阻害剤

プロテインキナーゼC(PKC)はユビキタスに発現するリン脂質依存性酵素で、細胞増殖や分化、アポトーシスに伴うシグナル伝達に関連します。構造、生化学的特性、組織内分布、細胞内局在、基質特異性において異なる、少なくとも11種類の近縁のPKCアイソザイムが報告されています。これらは、従来型アイソザイム(α、β1、β2、および γ)、新規アイソザイム(δ、ε、η、θ、µ)、非定型アイソザイム(ζ、λ)に分類されています。PKCアイソザイムは、細胞周期の進行と終了ならびにG1期・G2期チェックポイント等、重要な細胞周期の転換をポジティブにあるいはネガティブに調節します。


プロテインホスファターゼ阻害剤

構造タンパク質および調節タンパク質のリン酸化・脱リン酸化は、真核生物の細胞内の主要な制御機序です。プロテインキナーゼは、ATPからリン酸を特定のタンパク質、一般的にはセリン、スレオニン、またはチロシン残基に運びます。ホスファターゼは、ホスホリル基を切断してタンパク質を元の脱リン酸化状態へ戻します。したがって、リン酸化-脱リン酸化サイクルは、分子の「ON・OFF」スイッチとみなすことができます。プロテインホスファターゼ(PP)は、3つのカテゴリーすなわちセリン/スレオニン(Ser/Thr)特異的、チロシン特異的、そしてそのいずれも基質にできるデュアルなホスファターゼに分類されています。


EGFR Signaling Pathway inhibitors Panel
InhibitorSelect™ EGFR Signaling Pathway inhibitors Panel(カタログ番号 324839)に含まれる阻害剤。クリックして画像を拡大。
プロテインチロシンキナーゼ阻害剤

チロシン残基のリン酸化は、酵素活性を調節し、下流のシグナルタンパク質を補充するための結合部位を作り出します。プロテインチロシンキナーゼ(PTK)は、細胞の増殖、分化、代謝、遊走、生存の制御において重要な役割を担っています。これらは、受容体PTKと非受容体PTKに分類されています。選択的受容体PTKと非受容体PTKの阻害剤は有望な抗腫瘍薬です。これらの薬剤は、増殖や生存、浸潤、血管新生など、がん細胞のさまざまな特性を阻害することが認められています。

Rhoキナーゼ(ROCK)阻害剤

セリン/チロシンキナーゼであるRhoキナーゼ(ROCK)は、低分子量GTP結合タンパク質Rhoの標的タンパク質として機能します。このキナーゼは、接着斑や運動性、平滑筋収縮、細胞質分裂など数多くの細胞機能の重要なメディエーターです。ROCK介在経路は、血管平滑筋収縮や細胞接着、細胞運動性において重要な役割を担っているため、アテローム硬化症の解析においても重要性が高まっています。高いROCK活性は、内皮細胞の機能障害、脳虚血、冠動脈れん縮、メタボリックシンドロームに関連しています。そのためROCK阻害剤は、治療ツールとしての重要性を増しています。


その他のキナーゼ/ホスファターゼ阻害剤