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Merck

ATRPによる重合

ATRPをはじめとする精密ラジカル重合については、「精密ラジカル重合ガイドブック」をご覧ください。

目次

 N-プロピル-2-ピリジルメタンイミンを用いるメタクリル酸メチル(MMA)の重合

触媒としてN-プロピル-2-ピリジルメタンイミンを用いたメタクリル酸メチル(MMA)の重合を示す化学反応式。エトキシカルボニル基と末端臭素原子を含む繰り返しユニットを有するポリマー鎖を生じる。

図1N-プロピル-2-ピリジルメタンイミン(1a)を用いるメタクリル酸メチル(MMA)の重合

重合は酸素フリー下で行います。まず遷移金属塩を脱酸素し、次に溶液を脱酸素します。その後、開始剤を加えて重合を開始します。

  1. Cu(I)Br(0.134 g、9.32 x 10-4  mol、製品番号: 212865)と乾燥した磁気撹拌子を、乾燥したシュレンク管(ないしは丸底フラスコ)に加えます。
  2. セプタムをつけて系を密閉し、窒素下での凍結-脱気-解凍による脱酸素を3回繰り返します。
  3. 窒素下で、フラスコに以下の試薬を加えて重合溶液を調製します。
  • トルエン(10 mL)
  • MMA(10 mL、9.36 x 10-2  mol、製品番号: M55909
  • N-プロピル-2-ピリジルメタンイミン(0.279 g、1.87 × 10-3  mol)
  1. このシュレンク管をさらに3回凍結-脱気-解凍を行い、一定速度で撹拌しながら90℃に加熱します。
  2. 反応温度に達した後に開始剤である2-ブロモイソ酪酸エチル(0.136 mL、9.36 × 10-4 mol、製品番号: E14403)を窒素下で加え(t = 0)、重合を開始します。 

30~60分ごとに脱気したシリンジを用いてサンプリングしながら、GCないしはNMRにより転化率を、SECにより分子量と多分散度指数(PDI:polydispersity)を求めることができます。300分後に、転化率は89.3%となり、Mn =8,760 g mol-1 (理論分子量:Mn  = 8,930 g mol-1)、PDI = 1.20のポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)が得られます。

 N-ペンチル-2-ピリジルメタンイミンを用いるスチレンの重合

触媒としてN-ペンチル-2-ピリジルメタンイミンを用いたスチレンの重合を示す化学反応式。エトキシ基と末端臭素原子を含む繰り返しユニットを有するポリスチレン鎖を生じる。

図2N-ペンチル-2-ピリジルメタンイミン(1b)を用いるスチレンの重合

重合は酸素フリー下で行います。まず遷移金属塩を脱酸素し、次に溶液にモノマーと開始剤を加えてから脱酸素します。その後、配位子を加えて重合を開始します。

  1. Cu(I)Br(0.131 g、9.1 x 10-4  mol)と乾燥した磁気撹拌子を、乾燥したシュレンク管(ないしは丸底フラスコ)に加えます。
  2. セプタムをつけて系を密閉し、窒素下での凍結-脱気-解凍による脱酸素を3回繰り返します。
  3. 窒素下でフラスコに以下の試薬を加えて重合溶液を調製します。
  • キシレン(20 mL)
  • スチレン(10 mL、8.73 x 10-2  mol、製品番号: 240869
  • 2-ブロモイソ酪酸エチル(0.13 mL、9.1 x 10-4  mol)
  1. このシュレンク管をさらに3回凍結-脱気-解凍を行い、一定速度で撹拌しながら110℃に加熱します。 
  2. 反応温度に達した後に N-ペンチル-2-ピリジルメタンイミン(0.28 mL、1.8 x 10-3  mol)を窒素下で加え(t = 0)、重合を開始します。 

30~60分ごとに脱気したシリンジを用いてサンプリングしながら、GCないしはNMRにより転化率を、SECにより分子量とPDIを求めることができます。360分後に重合を停止すると、転化率は77.9%となり、Mn = 5,270(理論分子量:Mn  = 7,900 g mol-1)、PDI = 1.29のポリスチレンが得られます。