Dr. Najib SehatDr. Najib Sehat

メルク ライフサイエンス グローバルレギュラトリーマネージメントヘッド

欧米におけるレギュレーション最新動向
-医薬品原料(賦形剤および原薬)の登録に関する欧州および米国における規制の動向と開発(電子申請を含む)-

発表要旨

原薬および賦形剤の規制の分野では過去数年の間に非常に多くの変更がなされた。その一例が、欧州で施行された偽造医薬品指令2011/62/EUである。この指令では、医薬品製造企業が賦形剤を対象に正しくリスク評価を行い、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)の適切な運用を確認しなければならない旨が規定されている。原薬においては、製造場所によらずGDP順守は必須であり、現在ではこれも当局による査察の範囲に含まれている。
本プレゼンテーションではこの他に原薬の登録プロセスに関する最新情報や、米国での電子申請(eCTD)、そしてジェネリック医薬品審査手数料(GDUFA)も紹介する。さらに、元素不純物に関する新規要件とそれが医薬品原料サプライヤおよび医薬品製造企業に与える影響、米国FDAのQuality Metricsイニシアチブの現状についても紹介する。
最後に、EMAが進めるISO-IDMP(医薬品辞書)実装のための運用管理システムSPORの今後の展望をシェアする。医薬品を識別し情報交換を容易にするデータ項目、フォーマット、そして用語に関する共通のグローバルスタンダード、そしてIDMPで要求される、医薬品原料サプライヤが医薬品市販承認取得者(MAH)に提供すべき情報について紹介する。
本プレゼンテーションから、新たな欧州・米国の規制の実装に関する正しい理解が得られるであろう。また、製造プロセスでの使用に適した原材料を選ぶために製薬会社が用いるべきベストプラクティスを学ぶことができる。

プロフィール

全世界のメルク ライフサイエンスにおけるレギュラトリー関連業務の責任者である。多様かつ幅広い製品ポートフォリオの登録、ライフサイクル管理およびライセンス供与等がその業務である。彼のグループはレギュレーションに従い、ライフサイクルを通じて新製品および既存品の双方に関する規制活動を世界的に計画し管理している。これには、絶え間なく変わる世界的な規制状況の積極的な監視が求められ、新しい規制や変化する規制を満たす専門知識を有している必要がある。
Dr. ナジブは1999年にメルクに入社し、レギュラトリー、品質および技術的業務を主導した長年の経験を有している。メルクに入社する前は、ワシントンD.C.の米国食品医薬品局やドイツ・ハンブルクの衛生研究所などでの就労経験がある。ナジブはドイツのハンブルク大学で化学の学位と博士号を取得し、食品化学のドイツ州委員認定を受けている。これまで3大陸(欧州、アメリカおよびアジア)に住んだことがあり、豊富な多文化教育をもたらしてくれたこれらの経験も彼の業務に生かされている。