Nikolai Stankiewicz, PhDNikolai Stankiewicz, PhD

Merck KGaA (Germany) グローバルプロダクトマネージャー アップストリーム

細胞および遺伝子治療への適用に向けたメルクの製品開発

発表要旨

Benzonase®エンドヌクレアーゼは、ウイルスおよびVLPワクチンのためのウイルス生産において、またアデノ随伴ウイルスやレンチウイルスなどの細胞および遺伝子療法のウイルスベクターの生産のための安全で信頼できるツールである。BenzonaseによるDNA断片化処理により、プロセス液の清澄化性能が高まり、ウイルス生産におけるDNAファウリングからクロマトグラフィー用カラムを保護することで、プロセス生産性の再現性を確保することができる。細胞および遺伝子治療用生産の新たな規制では、原料加工の安全性プロファイルの向上が求められている。このため新しいBenzonase®エンドヌクレアーゼのSafety Plus Emprove® Expertには、最先端の規格にさらなる安全性に関する特性が追加されている。認定されている非動物由来の外来性ウイルスおよびマイコプラズマ否定試験により、さらなる安全機能が提供されている。本講演では、新たなBenzonase®および細胞・遺伝子治療製品を製造するためのメルクの他の研究活動について紹介する。

プロフィール

1979年生まれのニコライ・スタンキーウィッツ工学博士は、シュトゥットガルト大学でテクニカルバイオロジーを専攻した。2005年に卒業した後、カールスルーエ工科大学(KIT)で磁気分離およびバイオテクノロジーでの適用の分野の勉強を続け、2009年にバイオエンジニアリングの博士号を取得した。経済学を勉強した後、科学プロジェクトマネージャーとして2010年にドイツ癌研究センターの一員となった。2011年、メルクミリポアに入社し、ここでバイオプロセス・モニタリング技術および細胞培養培地製造技術の開発のため、研究開発施設を率いた。2016年にワクチンおよびウイルス療法に焦点を当てたグローバル製品マネージャーとして、マーケティング部門に異動した。博士の責務には、Benzonase®というエンドヌクレアーゼのような製品や非CHO細胞培養培地と細胞株、ならびにバイオ医薬品の材料と細胞培養培地の分野における革新的な技術の評価などがある。