柳田 哲博氏柳田 哲博 氏

中外製薬株式会社
製薬本部 製薬研究部(生物技術担当)バイオ4G(精製プロセス開発)グループマネジャー

バイオ医薬品の低コスト化を実現するための次世代型工場について
-中外製薬㈱における取り組み

発表要旨

医薬品産業は現在、先進国を中心とした社会保障費の抑制政策、新薬開発の難易度が高まるとともに後発医薬品も含めた厳しい市場競争下にある。また、発展途上国への市場の拡大やアンメットメディカルニーズなどの疾患領域と顧客ニーズの多様化・高度化によっても、医薬品製造の低コスト化は大きな社会的要請のひとつとなり、製薬企業としての解決すべき課題となっている。このような中で近年、医薬品製造における連続生産への注目が高まるともに、その技術開発やガイドライン等の規制整備も加速してきている。そして、生産技術革新によるオペレーションコスト低減だけでなく、工場の立上げ期間短縮や多品目に対する柔軟性も、不確定な市場環境において重要な要素となる。本講演では、抗体1グラムあたり数万円から数千円へコスト低減を目指すためのバイオ次世代型工場(Next Generation Factory)のコンセプトを紹介する。その鍵となる特徴として、連続生産や自動化を用いた工場の小型化について言及する。

プロフィール

2004年4月に中外製薬株式会社に入社。入社以来、バイオ医薬品原薬精製工程開発に一貫して従事し、2017年1月に同グループマネジャーに着任。2018年に竣工したバイオ初期商用生産サイト(UK3)の設計に参画した経験等も活かし、現在NGFバイオ原薬タスクリーダーとして連続生産技術開発を推進している。