オレイン酸

オレイン酸は、オメガ−9油と同じように元来は無色の液体油であり、空気にさらすと黄色または茶色に変色します。C-9にシス二重結合を有するoctadec-9-enoic acidであり、自然界に最も豊富に存在する1価不飽和脂肪酸の一つと考えられています。オレイン酸は、臭いが弱く、水に浮き、またEC 3.1.1.1(カルボキシルエステラーゼ)阻害剤、Escherichia coli代謝産物、植物代謝産物、Daphnia galeata代謝産物、溶媒、抗酸化物質およびマウス代謝産物になるなど、複数の役割を果たします。オレイン酸は、オレイン酸塩の共役酸として作用し、cis-octadec-9-eneの水素化物に由来します。この成分は、Gladiolus italicusおよびPrunus mumeなどの植物由来のものや、ブタなどの動物由来のものがみられます。植物オレイン酸は、オリーブ油を加水分解し、蒸留することにより得られます。一方で、動物由来のオレイン酸は、動物性脂肪(獣脂)を加水分解し、低温分画を行い、得られた混合物をさらに蒸留することにより得られます。
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オレイン酸の特性と用途
オレイン酸は、幅広い特性と用途を有する汎用性に優れた物質です。オレイン酸は、油の由来物に応じてさまざまな領域で使用されています。産業界では、界面活性剤、繊維製品、塗料、インク、化粧品、医薬品、革製品および潤滑油の製造に使用されています。肌への浸透性に優れているため、軟せっけん、パーマ液、マニキュア液、化粧せっけんおよびリキッドメーク用品などに使用され、植物油よりも優れた性能を発揮します。医薬品、繊維製品、金属製品および化学製品に有用なオレイン酸は、さまざまな産業にわたる課題を解決する汎用性に優れた成分であり、必要不可欠な構成成分や溶液を作り出します。
さらに、オレイン酸は皮膚軟化剤としても機能し、賦形剤として医薬品に使用されています。また、エアロゾル製品においては乳化剤や可溶化剤としても機能します。特に、オレイン酸はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の増殖と生産性において重要な役割を果たすことが示されています。細胞培養系においては、オレイン酸は長期エネルギー貯蔵などの機能を果たします。NADPHおよびATPに由来するエネルギーは、脂肪酸の形で蓄えられます。これらの脂肪酸は、グリセロール骨格とエステル結合し、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド(中性脂肪)として知られる化合物を形成します。脂肪酸が劣化すると貯蔵されているエネルギーが放出されて、細胞プロセスに関与します。これは、産業領域と研究領域の両方を対象とするさまざまな用途においてオレイン酸が重要であることを強く示しています。
標準物質としてのオレイン酸
オレイン酸は、製剤に含まれる分析物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やガスクロマトグラフィー(GC)などのクロマトグラフィー技術によって評価する際の医薬品参照標準として使用されています。さらに、ガスクロマトグラフィーを真空紫外分光法と組み合わせて使用して血漿サンプル中の脂肪酸を同定および定量するための分析標準としても機能します。
バイオ試薬としてのオレイン酸
水溶性粉末状のオレイン酸、およびオレイン酸-アルブミン ウシ由来は、細胞培養のバイオ試薬として使用されています。
標識オレイン酸
同位体で標識されたオレイン酸(オレイン酸-1-13C)は、細胞および生物の脂質代謝や脂肪酸酸化のプロセスを調べたり、生物系内の脂質分子を探索したり、タンパク質-脂質相互作用を分析したりするのに使用できます。
重水素化オレイン酸
重水素化オレイン酸は、分子構造、立体構造変化および原子レベル相互作用を調べるためのNMR分光法に使用されています。これらは、代謝経路を追跡するためにも用いられ、さらに体内の脂質と脂質ベース化合物の吸収、分布、代謝および排出を調べることを目的とする薬物動態学的研究にも使用されています。
オレイン酸塩
オレイン酸塩(オレイン酸ナトリウムおよびオレイン酸カリウム)は、食品に含まれる界面活性剤および乳化剤として使用されています。また、繊維加工においては染色工程で染料を均一に分散させるためのレベリング剤として、紙およびパルプの生産においては分散剤として、発泡ゴム製品やラテックス製品の製造においては発泡剤として使用されます。
関連製品資料
- Oleic Acid in Cell Culture
How the unsaturated fatty acid, oleic acid and other cell culture components affect the performance of serum-free, protein-free cell culture systems used for biomanufacturing heterologous proteins including monoclonal antibodies.