NDSB(Non-Detergent SulfoBetaine)非界面活性剤スルフォベタイン

タンパク質実験のマジックパウダー

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NDSB は界面活性剤に類似した機能を持つ化合物です。NDSB は開発当初、未変性タンパク質の等電点電気泳動実験で用いられてきました。しかし、近年では可溶化・結晶化・安定化など、広範囲の分野で有用な試薬であることが認められ、海外はもちろん、国内でも徐々に報告例が増えてきています。
NDSB は疎水基が小さく疎水的結合力が乏しいため、ミセルを形成しません。
NDSB (Non-Detergent SulfoBetaine)のNon-Detergentとは、このミセルを形成しない性質を意味します。Sulfo は -SO3- 基のことです。また、正負の両イオンが隣接していない位置にあり、総電荷がpH に依らずゼロであるような化合物をBetaineといいます。

1. 可溶化用途
NDSB を添加すると収率が大きく向上することが期待できます。マイルドな界面活性剤とともに、NDSB が0.5～1M程度の濃度になるようにバッファーを調製してください。Vuillard らはP3-X63-Ag8 細胞のミクロソームのタンパク抽出において、NDSB-201 の添加により抽出効率が顕著に向上することを報告しています1)。（図参照）

図1

2. 結晶化用途
NDSB は結晶化にも有用です。タンパク質溶液にNDSB が0.5～1M 程度の濃度になるように加え、塩化ナトリウム溶液や硫酸アンモニウム溶液等の結晶化剤を混合します。VuillardらはNDSB が卵白リゾチームでの実験において、NDSB 非存在下では微粉末しか得られない条件でも、NDSB を加えると結晶化することを報告しています2)。

3. 安定化用途
NDSBは安定化剤としても作用します。
Xiangらは、高温で凝集しやすい酸性線維芽細胞増殖因子（aFGF）の熱凝集をNDSB-195が防止することを示しました。0.5 MのNDSB-195存在下ではNDSB非存在下に比べて沈殿の量が非常に少ない事を反映して、強いNMRシグナルが得られています3)。

Effects of NDSB-195 (0.5 M) on the precipitation and NMR spectrum of acidic fibroblast growth factor at 35 °C. 写真の通り、NDSB存在下では沈殿が大きく減少します。 資料提供：群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻　若松 馨 教授

引用文献：1) L. Vuillard et al. (1995) Biochem. J., 305, 337. 2) L. Vuillard et al. (1994) FEBS Lett., 353, 294. 3) L. Xiang et al. (2008) J. Magn. Reson., 194, 147.
参考文献：4) Goldberg, M.E., et al. (1996) Folding & Design 1, 21. 5) Vuillard, L., et al. (1995) Anal. Biochem. 230, 290.

よくある質問(FAQ)

製品名	注文番号	容量	備考
NDSB-195	480001-25GM	25 g
	480001-5GM	5 g
NDSB-201	480005-250GM	250 g
	480005-25GM	25 g
NDSB-211	480013-1GM	1 g
	480013-5GM	5 g
NDSB-221	480014-25GM	25 g
	480014-5GM	5 g
NDSB-256	480010-25GM	25 g
	480010-5GM	5 g
NDSB-256-4T	480011-25GM	25 g
	480011-5GM	5 g
NDSB Set	480012-1SET	1 set	NDSB-195 (#480001) 5g, NDSB-201 (#480005) 25g, NDSB-256 (#480010) 5 gのセット

作成日：2008/11/03
更新日：2009/11/17

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