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生命科学分野・医療分野で用いられるろ過の種類は、「精密ろ過(Micro-Filtration: MF)」「限外ろ過(Ultra-Filtration: UF)」「逆浸透(Reverse Osmosis: RO)」の3種類(図1)で、それぞれ簡単に説明すると、精密ろ過は、約0.05~10 µmの粒子の分離(例:滅菌操作)、限外ろ過は、約1~1,000 kDa(ダルトン)の分子の分画または濃縮(例:タンパク質の濃縮)、逆浸透は、極めて低分子量の成分を分離することができ、多くの場合水の精製(例:超純水の精製)に用いられます。
さて、その精密ろ過、「せっかくろ過を始めたのに、目詰まりしたため、やり直した」経験はありませんか?
ミリポアエクスプレスは、一枚のメンブレン内部の構造が一次側から二次側の方向*1に小さくなるように工夫されています(図1)。この構造により、粒子の多いサンプルでもろ過が効率的に行われ、「高流量フィルター」としての威力が発揮されるのです(図2)。そのためミリポアエクスプレスは、例えば、細胞抽出液のように、様々なサイズの粒子が高濃度に混在しているサンプルの精密ろ過に大きな威力を発揮し、時間とコストの節約に繋がる非常に効率的なメンブレンフィルターなのです。
限外ろ過は、精密ろ過の範囲よりもさらに小さな約1~1,000キロダルトン(kDa)の分子の分離に用いられます(図1)。このろ過の分離能力は、(精密ろ過のように)孔径ではなく、分子量が明らかなタンパク質やデキストランの阻止率による「公称分画分子量(NMWL)」または「分子量カットオフ(MWCO)」として表されます。
また、限外ろ過を行うには高い圧力を要しますが、操作圧が非現実的なほど高くなるのを防ぐため、限外ろ過層が可能な限り薄くなるよう設計されています。
・プレフィルトレーションの活用
サンプルとフィルターの化学適合性も非常に重要です。適合性の低いフィルターを使うと、溶媒がメンブレンを溶かしてしまう等のダメージにより、適切なろ過が行われなかったり、溶出によるサンプルの汚染が起こる可能性が高くなります。ろ過を実際に行う前に、表2に示すような化学適合性表を参考に、最適なフィルターユニットを選択しましょう*1。
ナイロン・セルロースといった親水性原料のメンブレンは、水溶液がメンブレンの孔に容易に入り込み完全に湿潤されるので、そのままの状態でろ過を行うことができますが、大部分のメンブレンは疎水性原料で製造されるため、そのままではサンプルがフィルター孔を通過できません。では、どのようにしているのでしょうか?
具体的な方法は、親水性物質による表面のコーティング、メンブレンへの親水性物質の埋め込みや共有結合など、様々です。親水性PVDFや親水性PTFEといった表記は、これらのメンブレンが水溶性サンプルに湿潤性を持つように処理を受けたことを示しています。フィルター選択の際に注目してみてください。 

Filter Questに登場するメンブレンの中では、タンパク吸着性が極めて低いために最も高い回収率を実現可能な親水性PVDFメンブレンが、最適なメンブレンとしてしばしば選択されます(表1)。また、メルクミリポアのPES製メンブレン「ミリポアエクスプレス」(Quest 3参照)も、高い回収率と低いタンパク質吸着性を併せ持つ有用なフィルターです。
多くの研究室で日常的に使用されているオートクレーブは簡単かつ便利な滅菌法です。しかし、滅菌済みMillex(マイレクス)を始めとするフィルターユニットの製造では、オートクレーブ滅菌は現実的ではありません。インディケーター(滅菌済みを示す色が変わるテープ)をハウジング内部に挿入できず、蒸気由来の残存物質による汚染リスクも高いからです。
完全性試験には、破壊試験と非破壊試験の2種類があります。
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