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メルクミリポア・クロマトグラフィーセミナー2012 Q&A集

メルクミリポアでは、2012年5月16日に"-HILIC(親水性相互作用クロマトグラフィー)+LC/MS講座-"と題しまして、メルクミリポア・クロマトグラフィーセミナー2012 を開催致しました。 本セミナーでのQ&Aをご参照ください。

1. HILICカラムの分類と性能評価 2. LC/MSにおけるマススペクトルの解釈

 

1. HILICカラムの分類と性能評価 - 回答: 京都工芸繊維大学


Q1-1: 逆相カラム(ODSなど)での分離を諦めて、HILICカラムでの分離に切り替えるめどをおしえてください。

ODSカラムで、有機溶媒30%程度まで下げても保持がないようなものは、HILICで試してはいかがでしょうか? LogPが1を下回る溶質については、HILICで分けている傾向が強いように思います。

Q1-2: HILICカラムの寿命は逆相カラムと比べていかがでしょうか?

カラム中の官能基の性質によって、寿命はかなり違うようです。

中性の固定相(アミド、双性イオン型)は一般的に丈夫です。ZIC-HILICカラムはLC-MSでバックグラウンドとして観測されるカラムからの溶出物が少ないと報告されています。アミンを結合したカラムは自己分解性を持っていますので、短寿命なものが多いようです。この性質はLC-MSへ適用するとき、バックグラウンドが高くなるという欠点をもたらします。

近年、この問題が解決されて長寿命のアミノカラムも上梓されているようです。未修飾シリカカラムは、カラムからの溶出物がないためLC-MSでの利用が多いですが、夾雑物の多いサンプルを注入すると非可逆な吸着による汚れが問題になることが多いようです。

Q1-3: HILICカラムを使用する際、安定な水和層が形成されるまで時間がかかるように感じています。どのくらいコンディショニングを行うべきなのか、教えてください。

固定相の性質(酸性官能基として、スルホン酸やリン酸、シラノールが含まれる。あるいは塩基性官能基としてアミンが含まれる。)、移動相中の緩衝液の濃度とpHなどが複雑に絡み合って起こる現象だと考えます。従って、カラム中の官能基が違えば、コンディショニングの最適条件も変わってきます。

例えば、スライド54(10ページ)では、アミンのカラムの平衡化に20 mMの酢酸アンモニウム緩衝液を使った場合、平衡化に10時間程度要していますが、100 mMの酢酸アンモニウム緩衝液を用いて作った移動相に切り替えるとずっと速く平衡化します。テオブロミンーテオフィリンの分離の程度は固定相表面のpH状態に大きく影響を受けますので、コンディショニングの条件検討の際に組み込んでいただけると、平衡化の程度を知ることができると考えます。

Q1-4: HILICカラムでは、移動相に塩を添加して分析するのが望ましいようですが、塩自体がHILICに保持されて蓄積し、再現性が得られなくなることはありますか?

塩はHILICの水リッチな層に保持されます。

塩濃度のグラジエントをかける場合、再現性を得るには十分な平衡化の時間を取ることが必要だと考えられます。塩が蓄積することは無いでしょうが、析出する可能性はあります。その場合はカラムメーカーの推奨する方法によりコンディショニングすることが望ましいです。

(メルク回答:HILICでは移動相中の塩・水は保持します。これは不可逆的な吸着ではありませんので、酢酸アンモニウムなどが固定相内に蓄積されることはないと考えられます。ただし、リン酸緩衝液を用いる場合には,有機溶媒の高い移動相では析出することがあるので,注意が必要になります。塩が固定相内で析出すると分離が変わる可能性がありますので、元に戻すために水で洗うなどの操作が必要になります。資料「ZIC-HILICを初めてお使いになる方へ」のカラムケアについてもご参考ください。)

Q1-5: 移動相の緩衝液濃度に注意が必要とのことでしたが、例えばどんな例がありますか?

HILICでアミン類を分離した例(D.V. McCalley, J. Chromatogr. A 1217 (2010) 3408)が分かりやすいと思います。

ジオールのカラムの保持は、緩衝液中のイオン濃度に影響を受けにくい(が、k=1以下)。アミドや双性イオンのカラムでは、塩濃度を高めていくと保持は徐々に小さくなります。イオン濃度が0.002Mでk=4のものが、イオン濃度が0.01Mではk=3以下になったりしています。未修飾シリカカラムでも、保持が大きい溶質は同じ挙動を示します。一方、分離効率(理論段数)は、アンモニウム塩の濃度が4 mM以下の領域の方が、10 mMの分離よりもやや高いようです。イオン交換性の低い溶質の場合は、あまり緩衝液の塩濃度の効果は大きくないようです。

Q1-6: 移動相中の塩濃度が高いほうが保持が強くなるということでしたが、イオン交換作用でも同じですか?イオン交換では、移動相中の塩濃度を高くして溶出させるイメージですがいかがでしょうか?

塩濃度が高いと保持が大きくなる、というよりは、塩濃度が高いと、移動相中のイオン強度が強くなるため固定相-溶質間のイオン相互作用が抑制されるということです。その結果、溶質の保持は分配による性格が強くなるようです。

イオン交換で塩濃度を高めると、固定相と溶質のイオン相互作用が弱まって溶出する現象と本質的に同じです。移動相中の塩濃度が低い条件下で、ERLICにより保持がほとんどないような溶質は、移動相中のイオン強度を高めると親水性分配による保持が主になる、と考えられます。

Q1-7: カラムの種類、移動相中の塩濃度によって、回収率や保持の量などに影響がありますか?

カラムの種類と塩濃度は、固定相表面の水和層の厚みに大きな影響を与えます。

回収率(カラムから何%溶出できるか)は、吸着の有無によって変わります。シリカゲル表面のシラノールと反応するアミンを有する分析種では、カラムの種類や塩濃度によって回収率に顕著な差が出る可能性があります。未修飾シリカのカラムでは、非可逆的な吸着が起こることもあるようです

Q1-8: HILICカラムでは、アセトニトリルを用いた抽出試料がよいとのことでしたが、メタノールを用いた場合、分離への影響は一般的にはどの程度大きいと考えられますか?また、メタノールを使用する場合、水の割合はどの程度まで許容できますか?

HILIC条件では、メタノールは水についで溶出力の大きな溶媒ですので、これを試料調製に用いると十分な保持が起こらなくなる可能性があります。

メタノールー水系を移動相に用いてHILIC分離をおこなった例はありますが、そこで試されているサンプルの保持は小さく、十分な分離が得られていないケースがほとんどです。

(メルク回答:セミナー要旨集に掲載している「ZIC-HILICを始めてお使いになる方へ」の図6のデータもご参考ください。)

Q1-9: 分離対象物の構造から、ある程度、最適なカラムを選択できますか?

保持を十分にさせるのか、または不純物成分との選択性を上げるのか目的にもよりますが、セミナー要旨集のスライド41(8ページ)のプロトコールはカラム選択の手順としてよくできていますので参考にしてください。

アミド、双性イオン型などの中性カラム、アミノ型(アニオン交換性)、未修飾シリカ(カチオン交換性)を揃えておけば、どれかでうまく分離できるのではないでしょうか。

Q1-10: ZIC-HILICは強アニオン-強カチオンのカラムですが、他のストロング-ウィークの組み合わせのカラムを使用する場合の判断基準のようなものがあれば教えてください。

DinhらがZIC-HILICとは異なる修飾基のカラム(PC-HILIC)を評価しています(スライド36枚目、J. Chromatography. A, 1218, (2011) 5880)。

ポスフィン酸誘導体やホスホコリン誘導体のリン酸グループのpKaがSO3Hより大きいですが、それが汎用のHILIC条件(pH = 3〜6)の中に存在するなら、イオン交換性の大小は、移動相のpHによって変化する可能性があります。リン酸部が解離しているか非解離の状態かによってカチオン交換性に変化があるということです。

Q1-11: ペプチドの分離について質問です。修飾・非修飾ペプチドの分離をHILICで行うことは可能でしょうか?修飾基は、リン酸基、スルホン酸のような電荷を持つものです。

リン酸修飾のペプチドと、非修飾のペプチドを分離するには、チタニアのカラムを用いた配位子交換が効率が良いようです。

スルホン酸の有無による分離はカチオン交換的性質が強いカラムを用いれば、達成可能かもしれません。ペプチドは多官能基性ですので、分子量によっては他の官能基の効果との競争になる可能性は否定できません。

(メルク回答:ペプチドの分析に関連したプロトコール、アプリケーションなど詳細情報をhttp://www.sequant.com/default.asp?ml=12310 よりご覧いただけます。是非ご参考ください。)

Q1-12: ZIC-HILICにおいて、SO3-とH2N+R2 に引力が働き、SO3-とカルボン酸-に斥力が働くとのことでしたが、N+の電荷は影響しないのでしょうか?

イオン濃度が低いとき、ZIC-HILICの修飾基であるスルフォベタイン基は分子内でSO3-とH2N+R2の間にイオン相互作用があります。

カルボン酸の陰イオンがN+R4と相互作用するためには、SO3-とH2N+R2の間の相互作用に打ち克つ必要がありますが、イオン強度の差により、斥力が発現するようです。SO3-とカルボン酸の陰イオンの電子が反発により、t0よりも分析種が早く溶出する「ERLIC」 という現象として理解されます。

Q1-13: スライド66枚目に関して質問です。「水素結合ドナーは親水性が低く、水素結合アクセプターは親水性が高い」とのお話でしたが、その理由についてもう少し詳しく教えてください。

ウリジンの保持の大小を「親水性」の大小のスケールとして使用すれば、HILICの固定相は親水性の大きいグループと小さいグループに分かれました。両グループに含まれる官能基を見比べると、ご質問にあるような傾向が見いだされたに過ぎません。

水素結合アクセプター型の固定相は、シリカに親水性ポリマーが結合したタイプのものが多いようです。それに比べると水素結合ドナー型の固定相は、シリル化剤の結合による修飾がなされているようであり、カラムあたりの親水性官能基の量が小さいのかも知れません。この傾向が生じる理由を解明するためには、カラムあたりの官能基の量を揃えた条件での比較検討が必要かと考えます。

Q1-14: スライド7枚目について質問です。Amideカラムのアセトニトリル0~50 %で、kが高いものは、逆相モード(疎水性相互作用)と考えてよいでしょうか?

疎水性相互作用であると考えられます。

特に水が50%以上の領域は「PALC」(Per Aqueous Liquid Chromatography)と呼ばれることもあります。PALCは、アセトニトリルが不足していた時期によく検討されていましたが、試料の負荷量が小さい(高濃度の試料を注入するとピーク形状が悪化する)ので結局あまり使用されていません。 。



2. LC/MSにおけるマススペクトルの解釈 - 回答:エムエス・ソリューションズ株式会社


Q2-1: LC/MSのフラグメンテーションについて、基本的な学習をするにはどのような書籍・文献がありますか?最初に読むべきお勧めがあれば教えてください。

LC/MSで得られる偶数電子イオンのフラグメンテーションに関する文献は、セミナーでも紹介した「有機偶数電子イオンのフラグメンテーションにおけるマスシフト則」、J. Mass. Spectrom. Soc. Jpn., 50(4), 173 (2002). が分かり易く書かれていると思います。

電子イオン化(GC/MS)で得られる奇数電子イオンのフラグメンテーションに関しては、「有機マススペクトロメトリー入門、中田尚男、講談社(1981).が良いでしょう。

Q2-2: m/zで小数点以下4桁(精密質量)表示する理由、2桁にする理由をそれぞれ教えてください。

考え方にも依りますが、私の場合、m/z 値の小数点以下の桁数がどこまで信頼できるかによって表示する桁数を変えるようにしています。

良い環境に設置された高分解能質量分析計(目安として分解能30,000以上)を使用し、質量校正が正しく行われているなど良い条件で測定したデータであれば、4桁まで表示します。高分解能質量分析計であっても、10年ほど前の装置で分解能が数千程度であれば、4桁までは信頼できない場合が多いので、2桁程度の表示に留めることが多いです。既知物質を何度も(10回以上)測定し、その装置がどういう条件でどれ位の質量確度と質量精度を持つのかを、しっかり把握することが大切です。

Q2-3 ペプチドのMS解析で、コツがあれば教えてください。

ペプチドのフラグメンテーションに関するご質問と理解して良いでしょうか? ペプチドの主鎖は開裂し易い場所が決まっており、開裂位置と生成したフラグメントイオンがC末端とN末端のどちらに電荷をもつかによって、a, b, c, x, y, zなどフラグメントイオンの呼び名が決まっています。

目視でペプチドのフラグメンテーションを解析するなら、アミノ酸残基に対するこれらイオンの質量を一覧にしておけば、解析は容易になるでしょう。しかし、開裂が規則的であるためにその解析を支援してくれるソフトウェアがありますので、その利用をお奨めします。 文献を一つ紹介します。J. Mass Spectrom. Soc. Jpn., 52(3), 106(2004).

Q2-4: LC/MSのマススペクトルの解釈についてですが、未知物質の同定についてはどのような方法で行えばよいでしょうか?想定される部分構造の質量数をパズル式に当てはめていけは良いのでしょうか?

その通りです。MS/MSによって得られるプロダクトイオン(フラグメントイオン)とプロトン化分子など(開裂前のイオン)のm/z 差に対して、想定される部分構造を当てはめて行きます。

ただし、未知物質の構造解析を行うのであれば、プロダクトイオンのm/z 値も精密質量レベルで得られる、最近の高分解能LC-MSMSを用いないと難しいと思います。また、LC/MS/MSのデータからだけでは、完全に構造を組み立てることは困難ですので、未知物質の構造解析には、やはりLC/NMRなどの併用が必要になる場合が多いです。

最近は、各MSメーカーから、推定構造からフラグメンテーションを予測するソフトウェアが提供されていますので、それらを利用するのも良いでしょう。

Q2-5: GC/MSのマススペクトルも、LC/MSスペクトルと同様に解釈できるのでしょうか?

GC/MSで得られるマススペクトル上に観測されるイオンは、基本的に奇数電子イオンです。

LC/MSの場合は偶数電子イオンなので、解釈の仕方が変わる場合があります。ご質問のマススペクトルが、所謂通常のマススペクトルなのかMS/MSによって得られるマススペクトルなのかが分からないので、E-mailで個別にご質問頂けると、明確な回答ができると思います。

Q2-6: フラグメンテーションにおいて、安定な部分、開裂しやすい部分について教えてください。

アルキル鎖中のC-C結合や二重結合は基本的に安定で、開裂し難いと言えます。官能基のβ位の結合は開裂し易いです。

例えば、カルボニル化合物からカルボニル基が脱離する反応は、良く観測されます。また、不対電子によって引き起こされる開裂があるので、OやNに隣接している結合は開裂し易い傾向があります。

Q2-7: ESIにおけるH+の由来は、どこからくるのでしょうか?

移動相溶媒(水やメタノール)や添加されている酢酸・ギ酸などからと考えて良いでしょう。

Q2-8: 偶数電子イオンのフラグメンテーションで、水素不可する場合の水素の由来を教えてください。

例えば正電荷の偶数電子イオンのC-O結合が開裂してOの側の構造が電荷をもってイオンになる場合、中性の状態から考えると二つの水素が付加することになります。この場合の一つの水素(プロトン)は、当然イオン化の時に付加したプロトンです。

問題はもう一つの水素です。フラグメンテーションは単分子分解(コリジョンガスと衝突して励起状態になった後は)と考えて良いので、イオン―イオン間やイオン―分子間でのプロトン移動は考えにくいです。そのことから、Ion-Neutral Complexを経由してプロトンが移動すると考えられています。

イオンがCIDなどで開裂すると、より質量の小さなフラグメントイオンと中性分子種が生成しますが、それらは生成した後暫くの間は近くに存在して相互作用していると考えられています。これがIon-Neutral Complexです。つまり、Ion-Neutral Complexが形成している間に、NeutralからIonに水素が移動したと考えられます。

Q2-9: ESIのイオン化法でも溶媒付加は起こるのでしょうか?また、頻度は高いでしょうか?

ESIイオン化での溶媒付加は、経験的には、殆ど起こらないと理解しています。

APCIでは頻繁に観測されます。

Q2-10: アダクトイオンについて質問です。アセトニトリルによってNH4+がアダクトする理由や考察があれば教えてください。

アセトニトリルは、アクリロニトリルを合成する際の副生成物として得られます。

アクリロニトリルは、工業的には、プロピレン、アンモニア、空気から合成されます。原料としてアンモニアを使用しますので、それがアセトニトリルには微量に含まれているのではないかと考えています。

Q2-11: ESI-LC/MSにおいて、各メーカーにより[M+H]+が検出される場合とそうでない場合があります。イオンの大きさなどが原因でない場合、どのパラメーターを変更すれば互換性のある結果を得られるのか、知見があれば教えてください。

これは非常に難しい問題です。正イオン検出の場合、[M+H]+が観測されない場合、替わりに[M+Na]+が観測されると思います。

両者を比較すると、ナトリウム付加イオンの方が安定なので、大気圧からイオンを取り込む部分の電圧(Watersではコーン電圧)を高く設定するとナトリウム付加イオンが、低めに設定するとプロトン付加イオンが生成しやすくなる傾向はあります。しかし、それ以上に、イオン源の構造や微妙な条件の違い(溶媒など)が効いてくるように思います。

Q2-12: LC/MSで、[M+H]+と[M+Na]+の2つのイオン(場合によっては[M+NH4]+も)が観測されることがあります。定量の際に困るのですが、解決方法があれば教えてください。またこのような場合、分析(SIM)のときは片方だけで検量線を作成してもよいのでしょうか?

自然に2種類のイオンが生成している状況は、定量分析の際には良くないので、可能な限り一つのイオンに集約させる努力をした方が良いです。いくつか方法があると思います。

一つはQ2-11で説明した電圧制御による方法、他にはプロトン源やナトリウム源になる物質を添加する方法です。ただし、そのような工夫をいくつか試しても[M+H]+と[M+Na]+がある一定の比で観測されるようなら、その状態で安定化していると考えられるので、どちらか強度の高い(あるいは高いS/Nが得られる)イオンだけを使って分析しても問題はないでしょう。また、可能であれば、両方のイオンをモニターして、そのクロマトグラム面積値を加算して定量するような計算システムを、エクセルなどで作るのがベターだと思います。

Q2-13: 未知物質の同定には、高分解能を持つMSとMS/MSが必要という話でした。今回のMSシフト則を適用できるようなLC/MSの装置条件はありますか?

特に条件はないと考えていますが、マスシフト則は全てのフラグメンテーションに当てはまる訳ではないので、その点はご理解頂いた上で解析に利用するのが良いでしょう。

Q2-14 取得できたマススペクトルを信頼して解析するのに、そのスペクトルが妥当なのかをどのように確認したらよいでしょうか?

得られたm/z 値が正しいかどうかについては、同時・同条件で構造既知の物質を測定し、観測されたm/z 値が計算値とどれだけ近似しているかで判断します。

既知物質の測定は、複数回行い、再現性を確認することも重要です。使用している装置のタイプ(特に検出系)によっては、観測されたシグナルがイオンなのかノイズなのかの判断が難しい場合があります。その装置のノイズレベルを把握しておくと良いでしょう。

Q2-15: クラスターイオンは具体的にどうくっついているのでしょうか?

化合物の構造によって異なりますが、水素結合、π-π相互作用、電荷‐双極子相互作用など、通常の相互作用によると理解して良いと考えています。

Q2-16: 図のようなフラグメントが観測されることはありますか?Merck-JP:/01_JP_Image/JP_FreeStyle/JP_LE/JP_LE-LC-ZICHILIC/JP_LE-LC-ZICHILIC-Chromseminar2012_qanda/Q2-16_IMG.png

はい、観測されますことはあります。

Q2-17の回答中、例1の負イオンスペクトルに観測されているm/z 161イオンは、この種のフラグメントイオンであると考えられます。

Q2-17: クロマトセミナー2012 要旨集の、P20の例1と P21の例3の回答を教えてください。

ご希望の方は、"クロマトセミナーQ2-17 回答依頼”と明記の上、お問合わせフォームにてご連絡ください。


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