フィプロニルは、欧州連合(EU)1では食用動物への使用が許可されていない殺虫剤です。フィプロニルスルホンはフィプロニルの分解により形成され、親化合物よりも鳥類やその他の生物に対する毒性が強い物質です2。
EUが定めた卵中残留フィプロニルの基準値は、親化合物とスルホン分解物の合計5 ng/g(0.005 mg/Kg)です。
本アプリケーションでは、マトリックスマッチド検量線に対して定量した添加サンプルにQuEChERS抽出とクリーンアップ(図1)を行った後、GC/MS/MS分析(条件については表1参照)しました。内部標準物質を使用しなかったため、報告した回収率は絶対値です。

図1. サンプル調製手順、QuEChERS抽出、およびZ-Sep+によるクリーンアップ
抽出物のクリーンアップに使用したSupel™ Que Z-Sep+は、共抽出された脂肪性化合物(コレステロールを含む)の濃度を大幅に減少させることが分かりました。図2に、Z-Sep+でのクリーンアップ後に減少したバックグランドを示します。フィプロニル・フィプロニルスルホンと同じ保持範囲で溶出した脂肪酸がZ-Sep+クリーンアップで除去され、両化合物のクリーンなシグナルが最終抽出物中に5 ng/mLで得られました(図3)。この方法の回収率と再現性は良好でした(表2)。この方法を鶏肉とマヨネーズにも適用しました。GC法の耐久性試験では、卵試料抽出物を70回超繰り返して注入しました。試験中のシグナル変化率はわずか12%でした。

図2. 卵からのQuEChERS抽出物におけるGC/MSスキャン分析

図3. 5 ng/mLでの卵中フィプロニル・フィプロニルスルホンのGC/MS/MS分析
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参考文献
1.
Fipronil Egg Scandal: What We Know. [Internet]. BBC NEWS.[updated 10 Aug 2017; cited 14 Aug 2017]. Available from: https://www.bbc.com/news/world-europe-40878381
2.
Madsen JF, Sandstrom MW, Zaugg SD. Methods of analysis by the U.S. Geological Survey National Water Quality Laboratory; a method supplement for the determination of Fipronil and degradates in water by gas chromatography/mass spectrometry. https://doi.org/10.3133/ofr02462