A. 1日目
1. 0.1%ゼラチン入り DPBS 10mLをT-75フラスコに加え、 37℃で30分以上インキュベーションすることでコーティングします。
2. 37°Cの温浴でPMEFバイアルを素早く溶解し、温めた培地10mLを容れた15mLチューブへ移します。チューブを静かに転倒撹拌し、 4℃で1000rpm未満の速度で約4~5分間遠心して細胞を沈殿させます。
3. 上清を取り除いて細胞を再懸濁し、プレート/フラスコからゼラチンを取り除き、下記推奨細胞濃度のフィーダー細胞懸濁液を調製します。
4. 播種の前にフラスコから余分なゼラチンを取り除きます。
5. MEFフィーダー細胞懸濁液をフラスコに加え播種します。約1.5 × 10⁵個/mLで巻き込むと、 MEF細胞は 24時間以内に95%コンフルエントに達するはずです。
6. 37℃で一晩インキュベーションします。
B. 2日目 1. 0.1%ゼラチン入りDPBS 10mLをT-75フラスコに加え、 37℃で30分以上インキュベーションすることでコーティングします。
2. 37°Cの温浴で PMEFバイアルを素早く溶解し、温めた培地が10mL入った15mLチューブへ移します。チューブを静かに転倒撹拌し、 4℃で1000rpm未満の速度で約4~5分間遠心して細胞を沈殿させます。
3. 上清を取り除いて細胞を再懸濁し、プレート/フラスコからゼラチンを取り除き、下記推奨細胞濃度のフィーダー細胞懸濁液を調製します。
4. 播種の前にフラスコから余分なゼラチンを取り除きます。
5. MEFフィーダー細胞懸濁液をフラスコに加え播種します。約1.5 × 10⁵個/mLで巻き込むと、 MEF細胞は 24時間以内に95%コンフルエントに達するはずです。
6. 37℃で一晩インキュベーションします。
C. 3日目 1. フレッシュなES細胞用培地でMEFフィーダー層上で培養しているES細胞の培地を交換します。
D. 4~8日目 1. MEFフィーダー層上で培養しているES細胞の培地をフレッシュなES細胞培地で交換するか、必要があれば 1対2の割合で細胞を継代します。(ES細胞は溶解してからミリセル24またはミリセル96ウェルプレートに播種するまでに、2~3回継代することを推奨します。両方の細胞が同時に不活化MEFが播種された新しいT-75へ継代されます。)ミリセル96セルカルチャーインサート1.0 PETメンブレンのアピカル側に200個/ウェルのES細胞、シングルフィーダートレーにMEF細胞を播種し間接共培養した後、出現したES細胞のコロニーに対しアルカリホスファターゼ染色を実施しました。
E. 9日目 1. 新しいES細胞用培地でMEFフィーダー層上で培養しているES細胞の培地を交換します。
2. およそ5~10mLの25µg/mLのフィブロネクチンが入ったDPBSでミリセル24またはミリセル96シングルウェルフィーダートレイをコーティングし、室温で45分間インキュベーションします。
3. シングルウェルトレイから過剰なフィブロネクチンを取り除きます。
4. セクションAの1日目のプロトコールを参照してMEFを溶解します。
5. MEF細胞懸濁液をフィブロネクチンでコーティングされたシングルウェルウトレイに加えます。シングルウェルトレイあたりおよそ約1.67 × 106個のMEF細胞を播種すると、24時間以内に95%コンフルエントに達するはずです。
6. 蓋をして、シングルウェルトレイを37℃で一晩インキュベーションします。
F. 10日目 1. T-75 フラスコから ES細胞と MEFフィーダー細胞を回収します:
2. 温めたDPBS10mLでフラスコを2回洗浄します(1回の洗浄ごとに1~2分インキュベーション)。
3. DPBSを取り除き、3mL TrypLEを加え、室温で2~3分間インキュベーションします。
4. 倒立型顕微鏡で細胞の剥離をモニタリングし、 TrypLEを不活性化するため ES細胞培地を加えます。
5. フラスコから細胞をすべて取り除くためによくまぜ、フラスコ壁面を洗浄します。
6. MEFフィーダー細胞から ES細胞を分離します:
7. ES細胞/MEF細胞懸濁液を新しいT-75フラスコへ移し、37°Cで45分間インキュベーションします。
8. 非付着性細胞( ES細胞)を別の新しいT-75フラスコへ移し、37°Cで45分間インキュベーションします。
9. 再度、非付着性細胞( ES細胞)を回収し、得られた ES細胞懸濁液をセルカルチャーフィルタープレートウェルに加えます。
10. ES細胞をセルカルチャープレートのアピカル側(ウェル内)に入れます。ミリセル96プレートには、 1ウェルごとにおよそ200~500個の細胞を100µLのES細胞培地で播種し、ミリセル24プレートには、1ウェルごとにおよそ1000~1500個の細胞を400µLのES細胞培地で播種します。
11. MEFを播種したシングルウェルトレイから培地を取り除き、およそ28~32mLのES細胞培地と交換します。
12. MEFを入れたシングルウェルトレイとES細胞を入れたセルカルチャーフィルタープレートを組み立てます。
13. 37°Cで一晩インキュベーションします。
G. 12日目と 14日目 1. 間接共培養している ES細胞と MEFの培地をES細胞培地で交換します。
H. 16日目 1. ES細胞が未分化であることを確認するためアルカリホスファターゼ検出キットで解析します。
注:このプロトコールは、未分化の胚性幹細胞を線維芽細胞のフィーダー細胞との間接共培養で培養できるようにデザインされています。ミリセル24ならびにミリセル96プレートでの使用を対象としていますが、このプロトコールはミリセルシングルウェルインサートにも使用することができます。 材料と試薬
- ミリセル24セルカルチャーインサートプレート―カタログ番号PSHT 010 R5、 PSRP 010 R5
- ミリセル 96セルカルチャーインサートプレート―カタログ番号 MACA C02 B5
- 初代マウス胚性線維芽細胞(DMEF)―カタログ番号 PMEF-CFL
- 129/S6 マウス胚性幹細胞(ES細胞)―カタログ番号 SCR012
ES細胞培地:
- ノックアウトDMEM―カタログ番号 SLM-220-B
- 20% ES細胞検証済み血清―カタログ番号 ES-009-B
- 1% Glutamax-1
- 1% PenStrep — カタログ番号 TMS-ABZ-C
- 1% 非必須アミノ酸 — カタログ番号 TMS-001-C
- 0.1% ESGRO (LIF) —カタログ番号 ESG1106
- 0.1% 2-メルカプトエタノール— カタログ番号 ES-007-E
MEF培地:
- DMEM―カタログ番号 SLM-022-B
- 10% ES検査済み血清―カタログ番号 ES-009-B
- 1% Glutamax-1
- 1% PenStrep — カタログ番号 TMS-ABZ-C
- 1% 非必須アミノ酸 — カタログ番号 TMS-001-C
- ゼラチン 2% 溶液 — カタログ番号 SF008
- マイトマイシン Cパウダー― Sigma カタログ番号 M4287
- DPBS — カタログ番号 BSS-1005-B
- TrypLE Select (1X)、液体― Invitrogenカタログ番号 12563
組織培養フラスコとチューブ
- フィブロネクチン溶液、1mg/mL―カタログ番号 FC010
その他:
- アルカリホスファターゼ検出キット―カタログ番号 SCR004