タンパク質サンプルの限外ろ過

Request Information

Merck:/Freestyle/BI-Bioscience/PSP/PSP-images/Amicon-Hires-crop.jpg
(クリックして拡大)

遠心式限外ろ過デバイスのオリジナルデザイン。Amicon Separation Sciences、William F. BowersおよびPeter N. Rigopulos が開発した特許技術(“Centrifugal Microconcentrator and Methods for Its Use”、 受託者W. R. Grace & Co.、 米国特許4632761A、 12月30日 1986年

限外ろ過の起源、アミコンフィルター(1965年~)

限外ろ過によるタンパク質濃縮の独創的な研究1から時を経て、アミコンは完成に至りました。

現在のアミコンウルトラフィルターでは、高品質のウルトラセル(Ultracel®)再生セルロースメンブレンを採用しています。ここでは、限外ろ過メンブレンの特性についての技術情報、いかにタンパク質濃縮に最適化されているか、また他の高分子溶質の高効率な分離についてお伝えします。

1Blatt, WF et al. “Protein Solutions: Concentration by a Rapid Method.” Science. October 8, 1965, Vol. 150, No. 3693, p. 224-226.

限外ろ過メンブレン

限外ろ過は、溶液中の非常に小さい粒子や溶解した分子を分離するプロセスです。基本的に分子サイズにより分離されますが、いずれのろ過アプリケーションでも、ろ過液の透過性はサンプルの化学的特性、分子特性、静電的性質の影響を受けます。

限外ろ過では、サイズが異なる分子を分離することはできますが、 同じサイズの分子の分離はできません。限外ろ過メンブレン上には分子量(MW)1K~1,000 Kサイズの範囲の物質が保持され、塩や水は通過します。コロイドや粒子状物質も保持されます。

限外ろ過メンブレンは、フィルターを通過する物質の精製、およびフィルターに保持される物質の回収の両方に使用することができます。孔径より十分小さい物質はフィルターを通過し、高分子物質の混合溶液から発熱物質の除去や精製、分離をすることができます。孔径より大きい物質はフィルター上に保持され、濃縮または混在している低分子物質の分離をすることができます。

限外ろ過の一般的な用途:

  • バッファー交換、脱塩、濃縮
  • 糖の除去または交換
  • 非水性溶剤の除去または交換
  • タンパク質結合リガンドの除去
  • 低分子物質の除去
  • イオンまたはpH条件の迅速変換
保持しようとするタンパク質によりますが、最もよく使用されるメンブレンの公称分画分子量(NMWL)は3K~100 kDaです。

限外ろ過および精密ろ過メンブレンの比較

ウルトラセル®再生セルロースメンブレンのような限外ろ過メンブレンは、通常2つの層で構成されています。
  1. 孔径10~400 Åの薄い(0.1~1.5 μm)高密度スキン層
  2. スキン層の下部の多孔質基盤層
スキン層の孔を通過できる物質はすべて、メンブレン自体を通過することができます。再生セルロースの孔径は、製造工程の加水分解ステップにおいて精密に制御されています。さらに再生セルロースの利点として、熱溶着が可能であることから接着材を必要としません。そのため、サンプル中への不純物の溶出が非常に少ない再生セルロースデバイスを製造することが可能です。

微小多孔質メンブレン(ポリエーテルスルホンなど)は、孔径が決められた一般的に硬質なポリマー素材の連続メッシュであり、 細菌、コロイド、微粒子の捕捉に使用されます。物質はメンブレン上か基盤層内に補足されます。

Merck:/Freestyle/BI-Bioscience/PSP/PSP-images/BIOMAX.JPG Merck:/Freestyle/BI-Bioscience/PSP/PSP-images/Ultracel-membrane-SEM.jpg
スキン層と多孔質基盤層から成る限外ろ過メンブレンの断面図
一様な孔構造の従来型微小多孔性メンブレンの断面図

限外ろ過メンブレンの最適な選定

限外ろ過と精密ろ過に用いられるメンブレンの特長の違いについて、下表に整理しました。 

膜材質限外ろ過用途精密ろ過用途
ウルトラセル(再生セルロース) 最適 不適
ポリエーテルスルホン(PES)(例:Biomax® メンブレン、ミリポアエクスプレス プラスPES) ウルトラセルの次に適切 最適(高流速)
PVDF 不適 最適(タンパク質低吸着)