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ホーム定量PCR(qPCR)モレキュラービーコン

モレキュラービーコン

モレキュラービーコンを灯台として表すことにより、広いゲノムの中で特定の配列に光を当てるその役割を象徴している芸術的描写。

灯台が誘導光を出して船が危険な海を安全に航海できるようにするのと同じく、モレキュラービーコンは、蛍光を発することでゲノムという海の中での標的核酸の正確な位置を知らせます。

モレキュラービーコンについて

モレキュラービーコンは、分子生物学および遺伝学研究に用いられるオリゴヌクレオチドプローブ(30~50塩基の短い一本鎖核酸配列)の一種です。モレキュラービーコンは間接リピートに隣接して独自の配列を有するよう設計されており、それによりステム-ループ構造を形成して5'末端と3'末端が近い位置に存在するようになっています。モレキュラービーコンプローブは、相補的な標的配列にハイブリダイズすると蛍光を発します。この構造化プローブは、高感度で配列特異性が高く、qPCRやiin vitro研究での配列検出に使用されます。ビーコンは、リアルタイムPCR(rtPCR)に役に立つものであり、その高い特異性と感度で特定の核酸配列を検出して、遺伝子発現をモニタリングします1,2


モレキュラービーコンの仕組み

モレキュラービーコンは、プローブの両端で相補的なステムシーケンス(約4~6 nt)によってヘアピンループコンフォメーション(約20~25 ntが最も一般的)が保持された、一本鎖両末端標識蛍光プローブです。プローブの5'末端と3'末端にはそれぞれレポーター、クエンチャー分子があります。ループは、標的配列に相補的な一本鎖DNA配列です。レポーター(フルオロフォア、または蛍光色素)とクエンチャーが近接しているため、エネルギー移行を誘発し、レポーターの自然な蛍光発光が消光します。モレキュラービーコンの構造と仕組みは以下の通りです(図1)。

モレキュラービーコンのデザインと機能

  • モレキュラービーコンプローブは、ループ、ステム、クエンチャー、レポーターの4つの不可欠なパーツで設計されています
  • モレキュラービーコンのステムとループの領域が安定したヘアピン構造を形成し、フルオロフォアとクエンチャーが近接した位置にあります。この近接性により、フルオロフォアが発光した蛍光をクエンチャーが吸収し、効果的にシグナルが抑制されます。
  • モレキュラービーコンが相補的なターゲットシーケンスに遭遇すると、ヘアピンループ構造が開き、5'末端のレポーターを3'末端のクエンチャーから分離させます。クエンチャーがレポーターから離れることで、レポーターの蛍光が消光されなくなり、それによって蛍光発光が起きます。 
  • 蛍光シグナルの強度は、サンプルに存在する標的DNAの量に正比例します。
  • リアルタイムPCRにおいて、モレキュラービーコンが増幅前に添加されると、ステムの塩基ペアリングが阻害されます。これにより、レポーター色素とクエンチャーが分離する変性時にプローブが相補的ターゲットにハイブリダイズすることで、レポーター色素の蛍光発光が誘導されます。
結合していないモレキュラービーコンの閉じたヘアピン構造と、開いた構造と蛍光シグナルを持つ標的DNAに結合したモレキュラービーコンを表す図

図 1.モレキュラービーコンの仕組み。結合していないビーコンは、消光した発光とヘアピン構造を取ります(左の図)。ビーコンが標的DNA配列に結合すると、クエンチャーとレポーターが空間的に分離して、シグナルが放出されます(右の図)。

モレキュラービーコンのアプリケーション

  • SNP検出
  • 対立遺伝子の識別
  • 病原体検出
  • マルチプレックス
  • ウイルス量の定量化
  • 遺伝子発現解析
  • 遺伝子コピー決定
  • エンドポイントジェノタイピング
  • In vitro 定量化または検出

モレキュラービーコンを使用することの利点

高い特異性と感度

モレキュラービーコンは、一塩基の違いを持つ配列を区別することができるため、特定の核酸配列を正確に検出できます。

リアルタイム検出性能

モレキュラービーコンは、PCR増幅のリアルタイムモニタリングを可能にするため、反応の進行をリアルタイムで追跡することが可能になります。

バックグラウンドシグナルの低下

ステムとループを持つ構造により、フルオロフォアとクエンチャーが近接した位置に保持されるため、標的配列がない場合にはバックグラウンド蛍光が低下し、シグナル・ノイズ比が高まります。

汎用性

モレキュラービーコンは、さまざまな配列を標的にして設計できるため、遺伝子発現研究、変異検出、ウイルス量モニタリングなどの幅広い用途で役に立ちます。

非侵襲的検出

モレキュラービーコンは、細胞プロセスを妨害することなく生細胞に使用して、特定のRNA分子の存在を検出し、可視化することができます。

マルチプレックス性能

異なるモレキュラービーコンを異なるフルオロフォアで標識できるため、1回の反応で複数の標的を同時検出することが可能になります。

SNPプロファイリング

モレキュラービーコンは、高い特異性を持ち、1塩基の違いを持つ配列を区別することができるため、一塩基多型(SNP)プロファイリングに最適です。独自のデザインにより、1回の反応で複数のSNPの同時検出が可能になり、効率性とスループットが向上します。さらに、モレキュラービーコンは、生細胞中でも機能するため、遺伝子発現や変異の非侵襲的リアルタイムモニタリングが可能になります3

ビーコンプローブへのLocked Nucleic Acid(LNA®)挿入

Locked Nucleic Acid(LNA®)は、モレキュラービーコンとの併用において複数の利点をもたらし、さまざまな研究、診断、前臨床用途におけるモレキュラービーコンの性能と有用性を高めます。

  • 熱安定性、結合親和性、ハイブリダイゼーション特異性の向上
  • SNP検出、対立遺伝子識別、in vitro 定量化または検出での精度向上
  • 安定性の向上と非特異提相互作用の低下によるバックグラウンドシグナルの低減
  • 困難な標的配列に対して、高感度プローブを容易に設計可能
  • 長期研究向けのヌクレアーゼ耐性

SIGMA-ALDRICHモレキュラービーコン製品の特長

  • 保証収量:1、3、5、10 OD
  • 精製:HPLC
  • 鎖長:15~40塩基
  • 品質管理:100%質量分析
  • 納品形態:乾燥状態、褐色チューブで納品
  • カスタムフォーマットも可能(ノーマライゼーション、特殊プレートなど)

メルクのプローブは、実験計画を簡素化する形態でお届けしています。

*1 ODが3 nmolまたは32 µgに相当します。概算反応数は、25 µL/200 nM反応を行った場合(5.0 pmol/反応)に基づく推定値です。評価は平均シーケンス長30塩基に基づいています。

一般的な蛍光色素分子とクエンチャーの組み合わせを以下に示します。

*納品は国際輸送、通関の遅れなどの理由により遅れる場合があります。大規模プロジェクトは、プロジェクトのニーズに基づいて納品スケジュールに組み込まれます。

製品リスト

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References

1.
Tyagi S, Kramer FR. 1996. Molecular Beacons: Probes that Fluoresce upon Hybridization. Nat Biotechnol. 14(3):303-308. https://doi.org/10.1038/nbt0396-303
2.
Marras SAE. 2002. Efficiencies of fluorescence resonance energy transfer and contact-mediated quenching in oligonucleotide probes. 30(21):122e-122. https://doi.org/10.1093/nar/gnf121
3.
Mhlanga MM, Malmberg L. 2001. Using Molecular Beacons to Detect Single-Nucleotide Polymorphisms with Real-Time PCR. Methods. 25(4):463-471. https://doi.org/10.1006/meth.2001.1269
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