地域に根ざしたプロセス液・バッファーの供給体制
地域別製造で実現するバイオ製造用プロセス液・バッファーの安定供給
プロセス液およびバッファーは、バイオ医薬品製造に欠かせない重要な要素です。細胞培養用の脂肪酸、細胞培養培地、消泡剤から、ダウンストリーム工程で用いるの試薬やバッファー、CIP用化学薬品に至るまで、バイオプロセスのあらゆるステップでプロセス液とバッファーは必要とされます。
高品質なプロセス液とバッファーを確実に供給する強固な体制は、安全かつ効果的なバイオ医薬品製品を途切れることなく製造するためにとても重要です。
パンデミックや自然災害、そして絶えず変化する地政学的環境などバイオ医薬品のサプライチェーンはさまざまな不安定要因と需要の増加に直面しています。当社はお客様の事業継続を確保するため、供給ネットワークの再構築を進めています。
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地域別生産体制とグローバルな管理体制
絶えず変化する供給の課題とバイオテクノロジー製品への需要増大に対応するため、グローバルな監視体制と地域ごとの管理を組み合わせたサプライチェーンの強化を進めています。これにより、生産場所を問わず最高水準の品質と一貫性を維持しつつ、地域の需要に迅速に対応することが可能となります。
「地域で製造、地域へ供給」のグローバル生産体制を拡大中であり、レネクサ(米国)、アーバイン(英国)、ダルムシュタット(ドイツ)、南通(中国)での拠点拡張に加え、2026年には大田(韓国)を開設予定です。
すべての拠点は同一のプロセスと設備を用いて運用され、確立されたグローバル品質管理システムを遵守することで、全地域における一貫した品質を確保しています。
プロセス液、バッファー、CIPソリューションにおける当社のグローバルな対応
米国、欧州、アジア太平洋地域の拠点により、世界中のお客様が、必要なときに必要な場所で、高品質なプロセス液へ常にアクセスできる体制を整えています。
米国地域(オハイオ州クリーブランド、ミズーリ州セントルイス):当社の米国製造拠点では以下を生産しています:
- 固形バッファー:TRIS-HCl、HEPES、MES、BIS TRIS、BIS TRIS HCl(クリーブランドおよびセントルイス)
- ろ過滅菌済み液体バッファー(セントルイス)
さらに、カンザス州レネクサ拠点では、pre-GMPの小規模カスタムバッファー向け"imMEDIAteADVANTAGE®"サービスを提供しています。すべてのimMEDIAteADVANTAGE®センターはGMP品質システムの主要要素に準拠し、開発から商業スケールアップ・生産に至るカスタムプロトタイプの柔軟かつ迅速な提供を実現します。
欧州地域(ドイツ・ダルムシュタット、英国・アーバイン、スペイン・モレット・デ・ヴァレス):ドイツ、英国、スペインのプロセス液・バッファー製造拠点では以下を生産:
- 固形バッファー:TRIS-HCl、HEPES、MES、BIS TRIS、BIS TRIS HCl(全拠点)
- ろ過滅菌済み液体緩衝液(アーバイン)
- Ready-to-use液体(アーバイン)
- 酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、リン酸塩(ダルムシュタット)
- 酢酸、クエン酸、エタノール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、NaOH、HCl溶液(ダルムシュタット)
ダルムシュタット拠点は、当社のグローバル本社であり、最大の研究・生産拠点です。複数の生産工場、研究開発センター、アプリケーションサービスラボを擁し、医薬品およびバイオ医薬品の製造・製剤におけるグローバルハブとしての役割を果たしています。
アジア太平洋地域:中国・南通拠点はアジア太平洋地域におけるプロセス液の主要生産拠点であり、2026年より韓国・大田(テジョン)の新拠点がこれを補完します。大田拠点は地域におけるプロセス液生産を大幅に拡大し、まもなく以下の製品を生産開始予定です:
- Ready-to-useダウンストリーム工程用バッファー液
- CIPソリューション
- imMEDIAteADVANTAGE®pre-GMP小規模カスタムバッファー
地域ごとのバックアップ体制で事業継続性をサポ―ト
当社製造拠点は冗長性を考慮して設計されており、お客様の工場に近い拠点から信頼性の高い同一のプロセス液を供給可能で、必要に応じて現地サポートも提供します。全拠点はISO 9001:2015認証を取得し、事業継続を考慮されており、設備や手順は既存のグローバル拠点と互換性を持っています。グローバルな品質管理と統一された原材料調達により、製造場所にかかわらず同じ性能の製品をご提供します。
世界共通の品質と一貫性の確立
当社は業界基準を超え、一貫性と品質のための独自の枠組みを構築しています。統合されたアプローチにより変動リスクを大幅に低減し、高品質な成果を実現するとともに、継続的改善のための強固な基盤を確立します。これを実現する要素は以下の通りです。
- グローバルで統一された品質システムに支えられた、適格化された生産プロセス:全拠点において、単一のグローバル承認サプライヤーリストから調達した同一のコア生産プロセス、技術、原材料を使用し、比較試験*によってその同等性を実証しています。
- EXCiPACT®GMP基準**に基づく認証(レネクサ、セントルイス、アーバイン、ダルムシュタット、南通、大田(2027年取得予定)における医薬品添加剤(PAM)向け):すべての製造拠点で調和の取れた品質を確保するため、原料向けの新たな業界基準を共同開発しました。
- Emprove®プログラムの一環として提供される包括的な文書化:信頼性の高い技術・品質・供給情報を用いたリスク評価、適格性確認、プロセス最適化の取り組みを支援。
- eMERGE™標準電子データエクスチェンジプラットフォーム:標準化された電子データ交換基盤で、サプライチェーンのデジタル化を推進。調和された品質サプライヤーデータ、予測分析、迅速な課題解決を可能にします。
サスティナブルなオペ―レーション
当社は、新たな製造基準の導入と、お客様のサステナビリティ目標の達成支援の両面から、サステナビリティに対して包括的なアプローチを取っています。具体的には以下の取り組みによって実現しています。
- 大田(テジョン)での計画通り、太陽光パネルによる電力供給、ヒートポンプシステムによる暖房、省エネルギー機器と自動化、節水のための雨水収集システムなど、様々な資源効率の高い設備を活用。
- 輸送距離と輸送関連の炭素排出量を削減するため、地元の原材料サプライヤーやお客様と連携。
- 製品開発プロセスにサスティナビリティを組み込み、研究開発から製造、物流、包装、リサイクルに至る製品ライフサイクル全体を包括的に考慮。
- 2025年、韓国で20年間の電力購入契約を締結し、2027年12月から16MWの再生可能電力容量を追加。これにより韓国におけるライフサイエンス事業の電力需要の約75%を賄う見込み。
プロセス液・バッファーのグローバルなラインナップとサービス
- バイオプロセシング用液体細胞培養培地およびバッファー:当社のグローバルな無菌ろ過液体製造製品は、治験用から商業生産に至るまで、お客様のプロセスを効率化しスムーズに進めるよう設計されています。高品質な細胞培養培地、バッファー、酵素、溶媒、塩基類をご提供します。
- pH調整剤・バッファー:固形・液体のReady-to-use製品からカスタムバッファーまで幅広いラインアップがあり、医薬品製造のさまざまなステージに対応しています。初期段階向けの Emprove® Evolve、製剤化やハイリスク用途にも適した Emprove® Essential および Emprove® Expert をご用意しています。
- pre-GMP小規模カスタムバッファー調製:imMEDIAteADVANTAGE®サービスは、開発作業を迅速に進めるために必要な短納期対応を実現します。すべてのセンターは大規模GMP拠点と同じ主要品質基準・製造コンセプトに沿っており、原材料も同じ高品質なものを使用しています。
- CIPソリューション:当社の高品質なカスタムCIPソリューションにより、時間とコストを削減できます。自社で溶液を調製する必要はなく、必要な容量・濃度でGMP(IPEC-PQG/EXCiPACT®)準拠の拠点から調達し、そのままプロセスに組み込むだけです。危険物(苛性剤、酸、溶媒、可燃性物質)の水和作業に伴う安全リスクも軽減されます。
* 新たな大田製造拠点における同等性試験は現在進行中です。
**新大田製造拠点は、2027年までに医薬品添加剤(PAM)向けEXCiPACT®GMP基準に基づく認証取得を予定しています。